内容説明
結婚の挨拶のため、婚約者・乙瑠の故郷を訪れた佑二。そこは生まれ変わりの伝説がある村だった。やがて乙瑠は村で里帰り出産をすることになったが、子供は生まれ変わりを司る神として村に囚われてしまい!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
122
一気読みだった、一冊。あれよあれよと引き摺り込まれて一気読み。山深い村での出産にまつわる異様な儀式にはいきなりドン引きだけれど、生まれ変わり伝承、信仰心、人間の業、ホラー、ミステリ、そしてちょっぴりせつなさ…と、それらを巧く絡み絡ませながら展開していくストーリーは気がつけば読み終えているぐらいの面白さだった。因習に縛り付けられた生きづらさほどやるせないものはないし、生まれ変わりも考えれば考えるほどせつなさを感じる。シタイ部署は興味深い。山羊原さんはもっと興味深い。まだまだ活躍してくれるかしら。2019/11/20
sayuri
110
第39回横溝正史ミステリ&ホラー大賞〈読者賞〉受賞作品。装丁やタイトルの『おかえり』から想像出来る通り、生まれ変わりをモチーフにしたホラー小説。九州山中の暗い森の中で行われる異様な儀式、閉塞感溢れる村社会で暮らす怪しげな村民達、村人が崇める『タイサイサマ』。薄気味悪い要素がてんこもりだが、方言を交えて語られる事で不気味さは更に増して行く。この村で生まれた萩村乙瑠(はぎむら いちる)と結婚した夫・橘祐二。二人の行く末が気になり一気読み。終盤の阿鼻叫喚の地獄絵図の様な描写は目を背けたくなる。正統派ホラー作品。2020/01/15
buchipanda3
109
題名は孵化するの孵る(かえる)。作中には、おかえり、おかえりという場面があって、それを思い出すとゾワっとする。普通であれば祝福に包まれる場面だけれど、そのセリフの違和感、異様さが全く別な感情を呼び起こす。ホラーは苦手なのだが、そういった異様さに取り憑かれたように最後まで一気に読み終えた。古い因習の設定が興味深い。まさにオカルト。でも実際に世界ではそういった事例もあるらしい。さらに現実で起きた過去の凄惨な殺人事件も題材にしていて、フィクションながらもリアルな想像をしてしまった。関連書籍も読んでみたい。2019/12/06
まさきち
97
津山三十一人殺しの事件を元に、生まれ変わりという要素を加えて現代によみがえらせた物語。ホラーというよりは恋愛物であり、事件物の要素が強く、物語の中に返って入り込みやすくて楽しめた一冊でした。2019/12/21
★Masako★
97
★★★★ 冒頭の「津山三十人殺し」を思わせる新聞記事から引き付けられ、その後の展開も気になって一気読み! 九州の山奥の村、生まれ変わりの伝承、「タイタイサマ」と呼ばれる守り神と異様な儀式…。非現実と現実がバランスよく絡み合っていてツッコミどころは多少あったが、最後までハラハラしながら楽しめた♪ 公安のオカルト専門部署「シタイ」の山羊原ものでシリーズありそうな予感。第39回横溝正史ミステリ&ホラー大賞・読者賞受賞作。構成力があり、次回作も楽しみな作家さん♪2019/11/30
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