内容説明
多様な風土にさまざまな文化が混在する中国で、おいしいものを追い求めるくいしんぼうたちの胃袋をとらえた垂涎必至の絶品エッセイ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
pohcho
42
中国のいろんな食べ物についてのエッセイ。例えば「春餅(中華風クレープ)」の項では、清の時代、立春に春餅を食べることを「咬春」(春をかじる)と呼んだこと、ラストエンペラーの幼い頃のエピソード、春餅に添える料理や食べ方と続いて、日本でも有名な春巻の話で終わり。一品につき4頁ほど。それが全部で83品。作者についてはよく知らないが、博学な方なんだろうな。歴史や文学に詳しい人と、ゆったりと中国各地をめぐりながら、美味しいもの珍しいものを食べ歩く。そんな気持ちになれるとても楽しいエッセイだった。素朴なイラストもよい。2020/01/22
サケ太
23
最高におすすめ。この一冊を読めば、中華料理の世界に誘われる。知っているものから、知らない中国の様々な絶品の数々の魅力。その一品にまつわる様々な歴史。千年以上にわたる決まり事こそ「食文化」。庶民に根づいた食べ物を文字によって記録するという事の大事さが読み進める事で確認出来る。食べる場所の大事さ、それを築いてきた時代の大事さ。自分は「滋味」を味わえているだろうか。情感たっぷりに描かれる味、食感、風味、匂い。たまらねぇ。だが、日本で食べられないものも多い。行くしかねぇのか。行くっきゃねぇ。2020/06/11
かもめ通信
18
「家で食べる」「街角で食べる」「飯店(レストラン)出たベる」と、三つに大別された料理が、1品につき4ページほどにまとめられていて、全部で83品。地域色豊かな料理の数々が、その歴史や小咄や季節の行事などともに語られている、中国発、吃貨(チーフオ・くいしんぼう)エッセイ。こんな時だけれど、こんな時だからこそ、いつか中国に食い倒れ旅に行くことを夢見て、ページをめくる。2020/04/08
Dash-Checker
12
事典というよりエッセイ集で、料理も耳慣れないものばかり。イラストもあるがそれだけでわかる料理は少ない。だが、中国人独特の視点から描かれる食のうんちくは凄まじく、また美味そうな描写が光っている。2024/05/31
ジュースの素
7
凄い本格派の本。文章もいいので読みやすい。 エ?と思うような物もあるが、中国はさすがに奥深く飽きない。真似して出来るような料理ではないが、どんな味だろうと空想する。とうもろこしは昔は位の上の人の食べ物だったんだなぁ。 痩せてる土地でも出来る作物だけど。手元に置いて時々眺めたい素晴らしい本。2020/09/23