ひよこ太陽

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¥1,705
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ひよこ太陽

  • 著者名:田中慎弥【著】
  • 価格 ¥1,705(本体¥1,550)
  • 新潮社(2019/10発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784103041351

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内容説明

今日も死ななかった。あの帽子を見たために、今日も死なずにすんだ――。一緒に住んでいた女に出ていかれ、切り詰めた生活でひたすら小説を書く40代の男。書けない日々が続き、いつしか死への誘惑に取り憑かれた男に、ある日人探しの依頼が届くが……。虚実のあわいで佇む作家の日常を描く連作小説集。芥川賞作家の新境地作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あじ

36
不穏の周波数が可聴域(読者)に届かない…ならば田中慎弥を田中慎弥が“共喰い”してしまえばいい。境界線を跨ぎこちら側にすり寄ってきた“たなかしんや”。読み易くなったと同時に読めた気になる、アブラカタブラ。読者を手なずけようと努力しつつ、後半の上り坂で置いてけぼりにする馬力は健在。主人公を取り巻く.(ドット)的な人々、思想や観念の静かな暴発が、非常に不本意ではあるけれど(ふふふっ)気に入りました。2019/06/24

まさ

26
田中慎弥さん初読み。作者の日々が綴られています。行方不明のGのこと、それと関連して母とのやりとり、同棲していた女性との会話…。その内容も文そのものも読みづらかった。読みながら、作者の真意を汲み取ろうと試みるが、なんともわからないまま読了。それこそがねらいなのかな。2019/12/29

いっち

25
死にたい作家の日常。主人公は、名前が田中で40歳の小説家。著者本人にかなり近いので、主人公と同一視してしまう。主人公は、天井裏で首を吊ろうとしたり、線路の中に飛び込もうとしたり、大型車の前に飛び出そうとしたり、死と隣り合わせ。芥川賞作家でも書くのがこれほど辛いのかと驚いた。いつか自殺してしまうんじゃないかと思ってしまう。辛さから逃げるために自殺することは悪いのか。線路や道路に飛び込むのはだめでも、自宅でひっそり死ぬのもだめなのか。家族には迷惑をかけてしまうが、ただそれで開放されるなら……泉鏡花文学賞受賞。2020/01/30

aloha0307

24
ひよこ と 私の好きな おひさま☀ さぞ、ほんわかした物語との予想は...まったくハズレ とても怖い小説です。作家の”書けなさ”をとことん見つめ続けるのです~そこには膨大な空虚が... カツサンドを食べたがる彼女を制止できなかったと、その女が主人公を咎める場面は怖さmax.ですよ。表題は希死願望ゆえに見えた、空が傾く気象現象です「太陽がひよこのように震えてる」 but結末は意外にも軽やかでしたよ。2019/09/07

天晴草紙

15
主人公の自殺願望は本物なのか。見知らぬ女から「いったい、いつ死ぬんですか」なんて言われたくないだろう。作家になれて有名な文学賞も受賞して上京して生活ができるほどになったのに書けない悩みで死を考えるのだろうか。才能も運もなくて作家になれない多くの人から見れば恵まれているのに。主人公の本当の心の闇、自殺したい理由をもう少し掘り下げてほしかった。それにしても作家に掲載中止理由をきちんと説明できない編集者がいるのか、それで仕事になっているのなら驚きだ。見つからないGは「小説を書く力」のメタファーかな。2020/02/11

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