内容説明
「反社」上等! われらを毀損してくるものを、倍返しで冒涜せよ。蔓延する同調圧力の重しの底から、突如、沸きおこる不謹慎な哄笑、爆笑。お下劣な言葉の芸術的な切り結び。一読してゲラゲラ笑える、泣ける、考えさせられる。これは、詩文か哲学かアジテーションか? 破格の超快作が登場。カール・マルクスからドナルド・トランプまでが顔見世興行。コンフォーミズム(遵法主義、体制順応主義)と全面「おためごかし」の現在を食い破り、目眩く言葉の乱舞に「純粋な幸福」の在処をさがす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
踊る猫
27
言葉が踊っている。「リアル」な感覚で捉えられた、この国にあふれている言葉やこの国で見えてくる情景をそのまま「なぐり書き」で、小賢しい技巧を捨てて(がしかし、その無造作さの中に高度な戦略性を溶かし込んで)書ききっているなと思ったのだ。読み終えて、確かにこのぼく自身の見る光景までも歪んだような気になった。あるいは新たなチャンネルが開かれたとさえ感じ、あらためて辺見の「幻視者」としての資質や聴覚の鋭さ、言葉や異性へのエロティック/フェティッシュなこだわりについて学ぶ。この言葉、「朗読」してみたらどうなるのだろう2023/08/22
hasegawa noboru
18
2019年9月刊の詩文集。積読本。<たぶん、老いとは主観と身体の無自覚な乖離にはじまる>。身体の衰耗と衰微。<経年劣化><底なしの気鬱のないところがいま、どこにあるだろうか。世界の実相は気鬱にみちている。それなのに、老いも若きも総理大臣も天皇も、そうではないふりをしている。><気鬱をはらうには怒り狂うより他にはない。狂気といわれようが、怒気をあらわにしてなに悪かろう。>(初出・書き下ろし「グラスホッパー」)その狂気はみんなして穏やかに忌避されることでしょう。分かりすぎるからこれは詩ではない、エッセイ。2024/07/26
ophiuchi
9
ノンフィクションのイメージがあったので、こんなにシュールな小説だとは思わなかった。2019/10/24
魚53
3
ある意味爆弾。テロのような詩集。2023/05/06
Maumim
2
老いてもなお、健在。2019/10/08