内容説明
死ねば戒名をもらい、葬儀や法事は仏式で営まれることが多い。私たちの生活の中に仏教は広く深く入りこんでいる。それでいて、私たちは、仏教についてどれほど知っているだろうか。仏教を生んだインドの精神風土、仏陀とその弟子たちの生活と思想を明らかにし、その後の流れの根源と展開を追って、仏教理解に必要な基礎知識を提供する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAKAPO
30
渡辺照宏先生(~1977)による『仏教』は1956年に刊行された。この第二版も第一刷が発行されたのは1974年と古いが、元々「専門学者の批判に耐え得る水準を保ち、学問的に責任を持てることしか書かない」という志のもと「原典の存在するものは、すべて第一資料から直接翻訳し、原典がないものについては、漢訳およびチベット語訳の両方を読んでから訳した」というものを、その後、主としてヨーロッパで著しく進歩した新しい研究に応じて、新しい構想をもとに起稿した、というだけあって、私にとっては、新しい発見が多く理解が深まった。2019/03/31
なの
15
仏教を知りたい、と常々考えている中で読みました。前半は引き込まれましたが、後半は付いていけなくなった・・。 インドと東アジアでは、考え方が異なる点を知ることができた。話の中に普通に神や悪魔が出てくるけど、どう解釈すればいいのかなぁ? もう少し入門を読むかな。2019/10/14
かば
12
仏教のいろはがコンパクトに纏められた良書。2020/05/26
yamahiko
10
仏教の原点に立ち返り、本質を分かりやすく説いてくれています。ここに帰ってくれば良いと言ってもらえる、信頼できる良書だと感じました。2017/06/17
mikio
7
中道というのは、快楽主義と苦行主義との両方をきっぱりと否定することであって、微温的、妥協的な態度を許さないものである。何事もほどほどにとか、足してニで割るとかいうような常識的な考えは仏教の中道とはまったく無縁である。日本の封建道徳で教えられた事なかれ主義などはおよそ仏教の中道とは何の関係もない。仏教の中道は、誤った考え方を徹底的に批判した上で、独自の原理を示すものである。大乗の中観派の痛烈な批判的論法はまさにこの仏陀の中道精神を発揮したものであるが、このことはすべての仏教思想に共通している。(P97)2021/05/16