岩波新書<br> 社会認識の歩み

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岩波新書
社会認識の歩み

  • 著者名:内田義彦
  • 価格 ¥858(本体¥780)
  • 岩波書店(2019/10発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004110637

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内容説明

日本の社会科学の「高度成長」はめざましいが、一般の人にはますますよそよそしいものになっていくのは何故か。マキャヴェリ、ホッブス、スミス、ルソーなど、社会科学史上の結節点に位置する先人たちの知的遺産を読み解く試みを通して、一人一人が自らのうちにどのように社会科学的認識の芽を育てていくべきか、読者とともに模索する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

108
内田先生の岩波新書はむかしから幾度も読み返す本ですが、これもその1冊です。岩波市民講座の講義をもとにしているので話し言葉のような感じで内容の硬さほどではありません。社会科学の方法論や社会認識について言葉の説明などもあり噛み砕いて説明されています。最後の章は歴史の発掘ということでアダム・スミスとルソーについて書かれていてこれも興味深いものです。2016/01/15

壱萬弐仟縁

39
生活現実と社会科学:社会科学は、われわれの 生活現実(傍点)のうえに立って、それを 科学的(傍点)に処理するところに成立する。日常語と学術語(16頁)。われわれは、出来上がった諸学問の方法論ではなくて、学問の仕方そのものを教わらなければならない。常識や通念を破ってものをみる操作を知ることが肝要。日常の世界にすでにある日常性批判の方法をさらに学問的に高めてゆくために、一般に(傍点)方法的に考えることに熟達する(26頁)。社会科学の作品は、それを作るほうでも、日常語を背景にして、2017/10/21

まさにい

8
ホッブスの自然法の考え方がこの本を読んで初めて理解できた。その意味で結節点になった本だと思う。できれば10代の頃に出会いたかったが、その頃に読んでも何も分からないまま読み終わっていたのだろう。簡単そうに例を挙げて書いているが、相当に基礎知識が無いと筆者の意図は分かりずらいと思う。それほど含蓄がある本であるが、高度な内容でもあると思う。僕は目的と手段という視点でこの本を読んでいたが、内田さんの学問に対する姿勢はしっかり目的を設定して、しかも総合的に理解しようとする。正に本道の姿を示してくださって嬉しかった。2021/01/02

qwel21

7
非常に面白かった。正直社会科学に関してはほとんど知識ゼロだったが、このような見方で紹介されると取り組んでみたくなる。講義がベースになっているので、語り口調で読みやすかったです。2010/03/04

馬咲

6
日常と学問を架橋させ、市民一人一人が現実生活を社会科学的に見て考え、主体的に社会に参加(take part)していくにはどうすれば良いか。その実践の為にマキャヴェリ/ホッブズ/ルソー/スミス/マルクスを引きながら社会科学の古典の読み方を提示している。所属する社会の常識に抗するための歴史認識の重要性はもちろん、自国語(日常)の文脈に落とし込みつつ、社会科学用語の国際的正確さを保ちながら理解することの難しさや、翻訳による意味内容の把握の限界の指摘から、言葉に対する感度を高める必要性を再認識した。2023/09/18

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