内容説明
元亀三年、武田信玄は上洛を目指し動き出す。家康所領の城が次々に落ち、要衝の二俣城もついに陥落する。三方ヶ原の戦いで完膚なきまでに打ちのめされ、敗走する家康の窮地を救うべく、山の者が快刀乱麻、躍動する。時に家康に味方し、滅亡に向かう武田に影のように寄り添い、義のために戦う男たちの姿に胸が熱くなる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポチ
54
楽しみに待っていた作品。二俣城から三方ヶ原まで。スピード感、戦闘シーンは相変わらず。無坂・二ツ・多十、かまきり・風魔・軒猿・伊賀者、どうなるのだろう…下巻へ。2019/11/06
ベルるるる
24
上下2冊が届いて、帯を見たら「無坂死す!」と書いてある。あ~死んじゃうんだ・・と思ったら中々読み始める勇気が出なくて・・・。でも読み始めたら止まらない。あっという間に読了。こんなスピードで読んだら勿体ないと思うのに止まらない。さあ下巻へ。2019/11/13
アオヤマ君
17
風花、晴天の雪のことか。「無坂」の物語もクライマックス。戦国の合戦を、山の頂から見つめながら、地に佇みながら、戦に巻き込まれながらの展開。老境にさしかかっても山を里を走る「無坂」。息遣いまで伝わる。2023/03/03
Book Lover Mr.Garakuta
16
速読しながら、行間を読むべく読書をした。戦国時代の武田信玄の上洛をっ目指すところから始まり三方ヶ原迄の物語り。其の強靭さを伺える。当時の歴史の事を勉強する上で、この本は、有益な参考図書である。380ページ「三河武士の武者振りを見せてくれようぞ」の言葉に感動した。2019/10/22
屋根裏部屋のふくろう🦉
11
山のものに知恵を借りながら武田、徳川双方が攻め合う姿は興味深い。歴史の表に出てこない山のものが、実は自分たちが歴史の一場面を作る小さな演出者のようだ。「金で買えぬものはありません。特に戦さ場では命さえもが金で買えます。」だから武将の中には兜の裏に首代を入れて戦っていたものがたくさんいたという。金の粒や砂金は使い勝手が良かっただろう。歴史上死んだことになっている武将も案外、、、。さて、信玄の命余命いくばくもなし。すかさず(下)巻へとなだれ込む。2019/12/31