内容説明
社会情勢の変化を受け,また平成25年の最高裁判決および法改正を契機として,相続法制の見直しへ向けた検討が進む。立法的課題,また,現在の理論・実務の到達点はどこにあるのか。法制審議会民法(相続関係)部会委員・幹事も含む執筆陣による研究成果。
目次
第1章 総論
1 日本相続法の形成と課題=水野紀子
2 信託法と相続法─同時存在の原則,遺言事項,遺留分=沖野眞已
第2章 相続分
3 配偶者相続権─相続法改正の動向と課題=西 希代子
4 婚外子相続分違憲決定に関する一考察=木村敦子
5 具体的相続分が抱える問題=宮本誠子
第3章 遺産をめぐる法律関係
6 相続不動産取引に潜むリスク─買い手からみた相続不動産=小粥太郎
7 金銭債務と金銭債権の共同相続=窪田充見
第4章 遺言と遺留分
8 包括遺贈と相続分指定─立法的課題を含む=潮見佳男
9 受遺者の処分権行使の制限─負担付遺贈の一考察=石綿はる美
10 遺留分制度の意義について─裁判例の分析による一考察=青竹美佳
11 フランス法における遺留分=松川正毅
第5章 総括
12 実務における可分債権の処理=松原正明
13 偶感・現代日本における相続法学説=大村敦志