内容説明
ある日、肝細胞がんなる病名を突然告げられ、がーんとなった東海林さん。
約40日間にわたる「初体験入院日記」。手術に、病院生活、その後の治療などを振り返る。
ほか、「粉もん大好き」「ミリメシはおいしい」「流行語大研究」
「初詣はおねだりである」「そうだ、蕎麦食いに行こう」「ガングロを揚げる」など。
新井平伊医師(認知症専門医)との対談「認知症時代の“明るい老人哲学」、
南伸坊氏・伊藤理佐氏との座談会「雑誌って面白い!」、
岸本佐知子氏(翻訳家)との対談「オリンピック撲滅派宣言『スポーツって、醜いよね?』」
の3本も収録。
解説は池内紀氏(ドイツ文学者・エッセイスト)。
『オール讀物』連載〈男の分別学〉を改題。
※この電子書籍は2017年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
96
東海林先生がガンになって入院、手術する顛末が冒頭書かれている。なんといっても「食」だが自身の体験記も面白い。入院時の食事メニューも紹介されている。さすが食のプロ。 食についてはシ東海林先生の場合はテレビのグルメ番組と違いどんどん美味しー!と書いてもらって結構だ。粉モンやミリめし、分類学について、ガングロを揚げるそして対談もあって楽しめた。表紙のデザイン、著者が手掛けたものかと思っていたら故・和田誠さんのものだったとは・・・・・・図書館本 2021/03/04
s-kozy
51
『オール讀物』の連載「男の分別学」をまとめたもの。この巻に収められたのは二〇一四年四月号〜二〇一六年四月号に掲載されたものだそう。連載時期は著者が70代後半の頃となる。ガン闘病、切除手術も経験し、年齢的な興味から話題も自然と認知症などに移っていっている。しかし、ミリメシや肉フェスにも興味があり、好奇心もまだまだ旺盛な様子。イラスト(一コマ漫画)の完成度も落ちておらず、期待通りの楽しい時間を過ごすことができる。尊敬に値するなぁ。こんな風な年寄りになりたいもんだ。2019/11/05
yamatoshiuruhashi
49
独特の表現が多いこの人らしい軽妙なエッセイ。表題のガン入院体験記だけでなく、多彩な人々との対談や各種の随筆など。ゆっくり楽しめる。著者の漫画もユニークな運びが多くて好きだが、本書における入院状況の描写も面白い。肝臓癌で「レバ刺し一人前強」の肝臓を切除するという表現に悲壮さは感じられない。が、癌告知をされた者が最初からこうも気楽に話せるはずがないだろう。それがここに至るまでの克服過程を描いているのではなく、状況を受け入れているところに「オロオロ」はあまり感じられないが、大変だったんだろうなと思う。2024/05/20
Aminadab
29
久々の東海林さだお。ご存じの通りこの人のエッセイは『週刊朝日』に〈あれも食いたいこれも食いたい〉(単行本タイトルは「…の丸かじり」)、『オール讀物』に〈ショージ君のにっぽん拝見〉改題して〈男の分別学〉が連載、本書は後者(2014~16年)をまとめたもの。しかし『朝日』は休刊してしまったし、『讀物』も最新号を図書館で見たが掲載はなかった。残念至極。この集では何といっても表題作(連載3回分)が読み応えあるが、他にも雑誌『讀物』応援鼎談とか、国宝級翻訳者岸本佐知子さんとの五輪呪詛対談など読み所があるのでお薦め。2023/08/09
駄目男
17
私は4度の癌患者として、一度も「癌体験記」だの「癌との向き合い方」など、その手の本を一度も読んだことはないし、読んだところでどうにかなるものではないと思っているので、今後とも読むことはない。しかし本書は東海林さだおさんが書いているとのことなので、ユーモアを交えて書いたものだろうと思い古書店で買った。何しろオロオロ日記ぐらいだからね。本書でインフォームド・コンセントというものが何なのか初めて知った。経験上、中でも私を怖がらせたのは「十二指腸癌」での医師の説明では、十二指腸癌は稀なケースなので、失敗した場合の2025/07/26
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