幻冬舎文庫<br> 悪魔を憐れむ

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幻冬舎文庫
悪魔を憐れむ

  • 著者名:西澤保彦【著】
  • 価格 ¥836(本体¥760)
  • 幻冬舎(2019/10発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784344429055

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内容説明

けっして手を下さず、
だが、死に至らしめ、
捕まることも、ない。

ウサコは電撃結婚、タカチは安槻へ一時帰還、ボアンは女子高の国語教師に!?

読み応えたっぷり!
ミステリの魔術師・西澤保彦の匠千暁シリーズ最新作!

「先生がその時間に校舎の五階から跳び降り自殺するから見張っていてほしい」。大学OBの居酒屋店主からそう頼まれた匠千暁は、現場で待機していたにもかかわらず、小岩井先生をみすみす死なせてしまう。老教師の自殺の謎を匠千暁が追い、真犯人から「悪魔の口上」を引き出す表題作。平塚刑事の実家の母屋で二十三年間にわたって起こる午前三時に置き時計が飛んできてソファで寝ている人を襲う心霊現象【ルビ:ポルターガイスト】の謎と隠された哀しい真実を解く「無間呪縛」。男女三人が殺害された殺人現場で被害者二人の首と手首だけが持ち去られゴミ集積所に打ち捨てられていた事件、犯人の奇妙な動機を推理する「意匠の切断」。ホテルの九階に宿泊する元教職者がなぜかエレベータを七階と十二階で降りた……殺人事件の奇想天外なアリバイ工作を見破る「死は天秤にかけられて」。四つの珠玉ミステリ短編集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

糸巻

29
タック&タカチシリーズ。4話収録の短編集。全編タックの視点で語られる。刊行順としては1番新しくタック達の卒業後の話だ。タカチは東京で就職、ウサコは電撃結婚し、ボアン先輩は皆に1年遅れて卒業と就活で忙しく4人では集まれなくなっている。それぞれのエピソードに1人ずつ登場してくる本作だが、各個性が出る推理談義でこれも面白かった。最近集中してこのシリーズを読んでいたが、本格ミステリには珍しく犯人の動機に重きが置かれていたなぁと感じる。短編でも読み応えがあるのはそこなのか。ウサコと平塚刑事の出会いの話が好き。2020/06/05

Walhalla

28
タック&タカチシリーズの10作目です。主要メンバーが4人とも登場しますが、全員が会することはありませんでした。大学を卒業して社会に出ると、徐々にこうなってしまいますね。今のところ、この作品がシリーズ最新刊のようですが、まだ続きがあれば、やはり4人集合して呑んでいるシーンをもう一度見たいと思います。『死は天秤にかけられて』のお話が一番印象的でした。2023/06/22

マッちゃま

27
久々のタック&タカチシリーズ。今回は中短編4作品の全てをタック視点で描かれております。4作とも不可解な事件を酩酊推理で解き明かしていくのだけど、なぜこんな不可解な行動、又は言動をしたのか?がメインテーマとなります。まあ〜いつもながら、◯◯なのは◯×だから××となり×◯となる…的な論理のアクロバット振りは健在です。ただ個人的にはシリーズメンバーの元気な姿(⁉︎)が見れた事が一番嬉しかったりします。刊行順と時系列がズレてる事もあり、少し先も既に知っているだけに其れ迄の間と、その先も追い続けて行きたいです。2019/10/13

LUNE MER

16
表題作にもなっている「悪魔を憐れむ」、とにかく救いがない話で読後感は非常によろしくない。よろしくないんだけど、これがこのシリーズ特有の空気でもある。ちょっと痛い思いをした方がいい、と思ってしまう登場人物が多い話なのだが、真犯人への報いがほとんどないに等しく(なくはないんだけど、それだけ?みたいな。)、タックにはもう少しファイロ・ヴァンス的な「同情なき犯人への非情さ」を会得していただきたく候。2021/01/13

ソラ

14
久しぶりのタックシリーズ新作。いつものことながらこれで終わりかと思ったらさらに展開が続くという感じで西澤保彦らしいなぁって感じ。そしてメイン登場人物たちにまた会えてよかった。また新作に期待。2019/10/19

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