内容説明
学校一モテる藤倉君に、自称・六八番目に恋をした尚。ひょんなきっかけから、モテすぎて女嫌いを発症した藤倉君の女除け役として「ニセ彼女」になるが、この関係を続けるためには「藤倉君を好きだとバレてはいけない」ことが条件だった――。周囲を欺くための「ニセ恋人」関係を続けるには、恋心を隠して好きな人を騙さなければいけない。罪悪感を抱えながらも藤倉君と仲を深める尚の恋の行方は……。あたたかくて苦しい青春ラブストーリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
芳樹
44
女嫌いの藤倉君の女除けのため「ニセ彼女」になった尚は、藤倉君に恋心を抱いているのだけど、ニセ彼女でいるために想いを隠さなければならない、という青春ラブストーリー。尚は無表情なので好意は藤倉君に伝わらない。だけど藤倉君が本当に大好き。でもそれを伝えると関係が破綻するので言葉に出せない。そんなもどかしさが何とも突き刺さるな。そして、イケメンだけど実は子供っぽい藤倉君と無表情だけど感情動きまくり尚の掛け合いがコミカルで実に楽しく読ませてもらいました。ニセ彼女は本当の彼女になれるのか?それは読んでのお楽しみ。2023/01/19
よっち
31
学校一モテる藤倉君に自称・六八番目に恋をした尚。遠くから眺めるだけだった彼女が、ふとしたきっかけからモテすぎて女嫌いを発症した藤倉君の女除け役として「ニセ彼女」に立候補する青春小説。少女マンガのようにモテまくる藤倉を好きにならないという宣言から始まったニセ彼女生活。普通の男子生徒として扱ってくれる尚への安心感があって、一緒にいても苦にならない関係だからこそ少しずつ確実に変化してゆく二人の心境があって、ここまで拗らせるとどうなることか心配でしたけど、いつの間にか育まれていた大切なものに気づけて良かったです。2019/10/29
わたー
18
★★★★★読友さんのおすすめを聞いて読了。想像以上に私の好みに刺さった。とあるきっかけによって、想い人である藤倉君のニセ彼女に主人公がなることから始まるラブコメ。想い人との接点ができたものの、彼に自分の想いがバレてはいけないという袋小路に自らハマってしまう主人公。だけど、彼女の表情筋が死んでいるせいで彼が全く気付かないという、終始、不器用な彼女が愛おしかった。主人公に対しては、小学生男子のようなガキ臭い素の姿を見せる藤倉君もどこか憎めなくて好印象。2021/10/19
さっきぃ
16
めちゃくちゃ良かった。モテすぎて女嫌いになった藤倉くんのニセ彼女を申し出た尚。好きな気持ちを隠して付き合うフリをするんだけど、尚が淡々としていてまったく気づかれないし、でも懐かれてるし、二人の会話のテンポとか藤倉くんの子供っぽさとか全部良かった。尚の双子の兄もいい。藤倉くんの告白も最高によかった。愛を要求する子供っぽい藤倉くんとの二人のやり取りも最高に可愛い。とにかくかわいい二人。2023/03/11
彩灯尋
14
無表情ヒロインと超絶モテ男子(中身は子ども)な2人の気さくな掛け合いが面白くて笑っちゃった。好きな人のニセ恋人設定はありきたりながらも、彼のことを好きだとバレてはいけないシチュエーションや、彼に対しての罪悪感でごちゃごちゃな感情がとても良かった。それぞれのお兄ちゃんたちもいてくれてよかった。面白かった。2024/10/07