内容説明
この猫、とまれ! ロンドンの紀元前猫、ブダペストの薔薇猫、ヴェニスの放心状態猫、マレーシアの仕立屋猫……。猫たちとの熱い出会いをもとめて、地球を駆けめぐる旅人が贈る、純正・猫物語! 街角の猫と自由きままに語り、世界の猫おばさんの内緒話もこっそり教えてくれて、もう、「ひょうたんから猫」のワンダーブック。世界の街角で出会った、猫たちの素敵な物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
69
「野生時代」に'94~'95まで連載されていたフォト・エッセイ+加筆された猫にまつわるエッセイ集。もはや一昔以上も前のものだが、テーマが猫旅だけに古びることはない。犬があれほどまでに種内変異が大きい(チワワもドーベルマンも犬だ)のに比して猫のそれは小さいだろう。にもかかわらず、猫はあれほど表情の多彩さを持った生き物だ。フォト・エッセイはそのことを実に如実に伝えている。篇中のNo.1はロンドンのタキシード猫かと思うが、他にも捨て難い猫がいっぱい。後半のエッセイはやや力量不足の感もあるが、まずは及第点か。2013/10/16
mukimi
12
仕事帰りに古本屋で衝動買い。猫を撮影し世界を旅する写真家によるエッセイと写真と。猫好きにはたまらない一冊。猫おばさん(猫にエサをあげるおばさん)は世界共通。肌の色が違う、言葉が違う、お国の政治が違う、抱えた孤独が違う、でも、みんな似ている、人と会話をしない、けれどもしゃべり続けている、という話は興味深かった。自分を必要としてまとわりついてくるふわふわもこもこした熱い生き物に自分が今日を生きる意味を見出す人間の孤独はとてもよく理解できる。いつか年老いて猫おばさんになるのも悪くないかも、なんて思ったり。2015/08/09
あび
7
猫を求めて世界を旅する。美しい各国の猫たちの写真と、現地の人々との交流の話が楽しめる。2017/03/31
yakinori
5
可愛らしい猫たちの写真集、というよりは猫の写真を撮りに世界中を飛び回る著者のエッセイとその写真といった風情。その土地土地の風土や文化によって、猫たちへの接し方もいろいろです。2019/04/26
myaown
4
猫との付合い方でその土地の寛容さが解る。猫が自由に気侭に生きるコトをそのまま許されている街に自分も住みたい。野良猫にしたのは誰だ?と、つぶやきながら猫にゴハンをあげつづけるヒトの孤独が沁みた...。2013/05/12