内容説明
顔にコブのできた有名プロレスラーが、寄生虫博士の研究室にやってきた! 原因は海外で食べた刺身から感染した有棘顎口虫(ゆうきょくがくこうちゅう)。生の食べ物にはキケンがいっぱい! ブタ肉から有鉤条虫(ゆうこうじょうちゅう)、地鶏のレバ刺しからイヌ回虫……。グルメブームの日本人に警鐘を鳴らす、面白コワイ、メディカル・エッセイ。その刺身、食べるのチョット待って! カイチュウ博士の仰天エッセイ。<『獅子身中のサナダ虫』改題作品>
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
95
『獅子身中のサナダ虫』を改題し文庫化された本.自身でサナダ虫の卵を飲み大きくなったサナダ虫をきよみちゃんと名付けて育てて?いる先生の話。サナダ虫を持っているメリットを語る。寄生虫というと気持ち悪い。気持ち悪い虫をメジャーなものにしたパワーに驚かされる。後半は魚や肉の生食ブームについて危険を唱える。サナダ虫で思い出すのは筒井康隆の小説でスタジオライトを浴びた熱でモデルの女性のお尻から虫が出てきて・・・という話を思い出した。今食事中やこれからという人もおいるので終わります。すいません。あとがきは小泉武夫先生 2022/01/31
redbaron
12
大食い、ゲテモノ食い、飽食の時代への警鐘。全く持ってニンゲンってやつは、と腹のムシはあきれているでしょう。わかりやすいし、冗談の中にキチンと専門的なことも入っており、だから嫌味に感じず、親しみやすい。あの館は、目黒にまだあるのかしら。寄生虫Tシャツ買いに行こうかしら。2017/01/16
猫
1
文中にあるように、この人は「アカデミック・コメディアン」なのだろう。面白いだけではなく、新しく知識を得ることもできる。(こんな表現をするとコメディアンが本業のように読めてしまうが) というのも、基本的にこの人の本は、具体的なストーリーは各々違うが、全体のメッセージをまとめるとほぼ、寄生虫の(人間の利益という目で)良い点悪い点、食生活、文化の変化に伴い寄生虫症が増えていること、寄生虫を含んだ共生。これしか書いていない。文章に面白みを感じるなら複数読んでもいいが、そうでないなら一冊読めば十分。2014/06/18