講談社学術文庫<br> 菩薩 由来と信仰の歴史

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講談社学術文庫
菩薩 由来と信仰の歴史

  • 著者名:速水侑【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 講談社(2019/10発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065173923

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内容説明

観音菩薩をはじめ、弥勒菩薩、文殊菩薩、地蔵菩薩、日光・月光菩薩・・・などなど、様々な姿で親しまれ、信仰の対象となっている菩薩とは、いったいなにか。それぞれの名前の由来や、役割と利益、形像の特徴、日本への伝来と信仰の歴史などを分かりやすく解説する。菩薩とは、サンスクリット語のボーディ=サットバに由来し、「悟りを求める人」という意味を持つ。それも、ただ自分中心の修行ではなく、仏の慈悲行を通して一切衆生を救おうとする、大乗仏教の理想的修行者像を意味する。最初は釈迦菩薩だけだったのが、大乗仏教の発展の中で、弥勒、観音、勢至・・・など「十方世界」に多くの菩薩が修行につとめていると考えられるようになったという。なかでも観音菩薩は、ヒンドゥー教の影響も受けて、十一面、千手千眼、馬頭など、多様な変化観音に分化し、その性格や利益をそれぞれに示している。写真や図版、イラストをまじえて、20以上におよぶ各尊の特徴も示した、仏教学の入門書。仏像鑑賞の手引きにも最適。〔原本:『菩薩―仏教学入門―』 東京美術、1982年刊〕

目次

〈目次〉
菩薩とはなにか
観音総論
観音各論
聖(正)観音
十一面観音
不空羂索観音
千手観音
馬頭観音
如意輪観音
准胝観音
六観音
三十三身と三十三観音
弥勒
文殊
普賢
虚空蔵
地蔵
その他の菩薩
大勢至
龍樹
日光・月光
薬王・薬上
転法輪
大随求
持世
香王
馬鳴
般若
五大力
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kawasaki

6
原著1982年。日本で信仰の対象とされている(された)菩薩たちの来歴、形象を一覧できる。半分くらいは観音とそのバリエーション。興味深かったのは、信仰が様々に変遷していく様。インドから中国・朝鮮を経ての変化、日本での時代ごとの変化など。「浄土教」が西方阿弥陀浄土に収斂する前の信仰、地蔵菩薩が道端の「お地蔵さん」になる過程などを知ることができる。2019/11/08

Ind

3
有名な菩薩について信仰の歴史がそれぞれわかりやすく解説されており、さらに詳しく知りたくなった。弥勒信仰が兜率上生と弥勒下生に分けられることを初めて知ったが、末法の世で来世に期待するだけでなく、弥勒が下生する現世に希望を持とうという考え方が面白いと思った。あと地蔵信仰が、現世で功徳を積むことができず来世は地獄行きだと絶望する庶民や没落貴族の間で広まったのも面白く、救済を願う歌の切実さに胸をうたれた。全体的に浄土思想の影響力の強さを感じ、歴史の中で信仰対象やその性質が変化する様子も興味深かった。2021/10/06

K子

0
仏像の中でも、日本あたりでは一番見る機会の多い、そしてバリエーションも豊富である菩薩にしぼって解説したもの。菩薩というのがそもそも大乗仏教の中で次第に信仰の対象とされてきたものですが、その数多い菩薩の来歴や特徴を説明しています。 講談社学術文庫だし、どちらかというと学術研究であり、その中では入門的な位置づけだと思います。菩薩像の特徴と来歴をバランス良く説明しているので、その役割は過不足無く果たしていると思います。 2020/03/30

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