講談社文芸文庫<br> 珍饌会 露伴の食

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講談社文芸文庫
珍饌会 露伴の食

  • ISBN:9784065174326

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内容説明

博覧強記の文豪が描く、奇奇妙妙の「食」尽くし。露伴とその周辺の好事家たちをモデルに描く抱腹絶倒の戯曲「珍饌会」、河豚を愛した文人たちの漢詩を読み解く「桃花と河豚」、故事来歴から料理法まで網羅した「鱸」など随筆六篇を収録。稀代の碩学・露伴の「食」をめぐる蘊蓄と諧謔を味わう名篇集。南條竹則・編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Susumu Kobayashi

8
明治・大正・昭和にかけて大きな功績を残した文豪幸田露伴の食に関する文章を集めたもの。府立一中(現日比谷高校)を中退し、東京英学校(現青山学院)も中退、後に電信修技学校を卒業して、電信技師として北海道に赴任するが、文学に目覚めて、一か月後に免官、という経歴で、それだけ見れば何やってんのかだが大成した。しかし、これだけの学識をいつどこで得たのだろうと驚くばかり。表題作は露伴周辺の好事家たちをモデルに、「人のまだ食わねえ誰も知らねえ、通の上の通、異(おつ)の上の異なものを食おう」という会を描いた抱腹絶倒の戯作。2020/03/08

qoop

7
知識と好奇心に裏打ちされた食の随筆も面白いが、何といっても本書の白眉は表題作。露伴がこんな悪食スラップスティック小説をものしていたとは! 食通気取りたちが催すゲテモノ賞味会の馬鹿馬鹿しさはいっそ清々しいレベル。多様な食材や調理法が解禁された明治という時代背景が窺える。カルチャーギャップと俗物根性を同時に嗤い飛ばす怪作。初代小せんが仕上げた落語「酢豆腐/ちりとてちん」を元ネタだと考えたいが、成立年代を比べてみたい。また露伴の交友関係とされる登場人物のモデルたちと照らし合わせて読み返してみたい。2020/01/10

niz001

6
初露伴センセイかな。タイトルは知ってたけど機会の無かった「珍饌会」。 こんな(今で言う)コメディ寄りとは思わんかった。2019/11/16

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