内容説明
本書は、ソヴィエト連邦におけるマルクス主義自然哲学(弁証法的唯物論)と物理学理論との関係についての論争(物理学哲学論争)を時系列に沿って分析することにより、根本的・実証的批判を加えた。より精彩に富んだ歴史像を提示する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
秋津
1
1920~30年代のソ連物理学における「弁証法的唯物論という国是たる哲学体系と新しい物理理論」との調停(「結論」)という試み、それを担ったアクターと彼らがなした論争について、極めて複雑な事柄を年代ごとの研究者同士の関係や政治との距離などの観点から丁寧に考察されています。 時に生命の危険を惹起した激しい論争と、その後の「歩み寄り」にみられる自発性・柔軟性・被拘束性といった観点からの「科学」について知見を得ることができ、大変愉快な思いをするなど。 「物理学とか分かんない」で読まないのはもったいない本ですよ。2018/10/07
工藤 杳
0
専門家じゃないので粗雑な読み方しかできないが、非常にスリリングで興味深く読み通した。2019/02/22