内容説明
ここは沖縄・那覇の市場通り。
人と本が出会う小さな古本屋。
今日も私はかわらず店を開ける。
店に立ち、市場のことばに耳を傾ければ、今日も人と本が豊かに、楽しげに行き交う──。沖縄の本を地元で売ることにあこがれて、那覇に移住して9年。店先から見えてきた、そして店先で考えてきた、本のこと、人のこと、沖縄のこと……。古本屋の店主にして気鋭のエッセイストが新たな視点で綴る珠玉のエッセイ集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nemuro
44
初遭遇と思いつつ著者略歴の「2014年、第7回『(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞』を受賞」を見て、池田晶子の本を数冊買い揃え(哲学のことは全然分からないなりに)少しずつ読んでいた時期があるので、その繋がりだったろうかとブログ内を検索。「2020年7月『いわた書店』(砂川市)にて。先日読んだ『本屋になりたい』が面白かったので」との投稿。どうやら本書で2冊目。「2018年6月10日初版」。5年間の文章を収録。広さは約三畳、路上にも三畳はみ出して全部で六畳。沖縄・那覇「市場の古本屋ウララ」である。2024/02/17
onasu
21
那覇の公設市場の向かいに、日本一狭い「市場の古本屋ウララ」を営む宇田智子さん。その開店前後を描いた「那覇の市場で古本屋」(当時)より7年。こちらはそれが日常になってのあれこれ。著者も「地元」になったようで、よそ行きでない南の島の市場の風が伝わってくるよう。 昨今は本屋さんを取材した本も散見されるが、著者も取り上げられる一人。そういうので近況を読んだばかりなんで、妙に親近感もわいてくる。 なくなった店やいなくなった人があたりまえのように登場していて、あのとき書いておいてよかったとは、あとがきもよかった。2018/09/08
あや
15
那覇の市場で古本屋を営む宇田智子さんのエッセイ。聴き慣れない地名や言葉に、前に那覇を旅行したときのことを懐かしく思い出しながら読んだ。二千円札の話題、台風の夜の話題といかにも沖縄らしい話もあれば、「ニューヨークで考え中」「逃げるは恥だが役に立つ」といった漫画を読んで思ったことが書かれていたり、本屋の役割について考えていたり。どの話題もゆったりと自然体で語られていて、那覇に移住してからの暮らしを、飾らず構えず受け入れている宇田さんの人柄が伝わってくるようなエッセイだった。2020/05/06
チェアー
15
宇田さんは文章がうまい。日常の市場の雑踏やなんでもない会話から、本の言葉が浮かび上がってくる様子を、ごく自然に描いている。それは正面にあることを正面から見ようとする人しかできない。寂しさが通底しているようで、賑やかな楽しげな表現もはしゃがない。言葉を一つ一つこぼさないように読みたくなる本。沖縄に行きたくなる本。2018/08/14
tomonokko
14
2018年は宇田さんの本を3冊読み、これが最新刊。実はこれを1番最初に手にしたのだけど、2冊の著作があることを知り、それらを遡って読了してからこちらに取り掛かった。結果、それは大正解!前2作は、異動で那覇に住むことになった経緯やそこでの仕事、その後に古本屋を営むようになったことについて店主の視点から書かれたものだった。しかし、本作は全くもってエッセイストとしての一冊であり、知性や品性の溢れる文章がとても素晴らしい!2018年に出会った作家の中で、最も今後の活躍が楽しみな1人。2018/11/26
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