内容説明
なぜ「多くのこども」と「こどもの多く」は違う意味になるのか? なぜケーキを三個「食べてよい」は「以上」で、「食べなくてはならない」は「以下」を意味するのか? 「三人の男」ではなく「三冊の男」で意味が通じる理由は? オスは卵を産めないのに「ペンギンは卵を産む」と言えるのはなぜか?
ありふれた日常の表現に潜む奥深い「謎」に、言語哲学の大家が満を持して挑む。通巻600号にふさわしい前代未聞の一冊!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さとうしん
12
「日本語は非論理的な言語か?」という疑問から入る言語哲学論だが、単数と複数の区別など基礎的な問題を、ごく単純な文章を対象に考察していくというスタイルで、この種の本を読み慣れていない側からするとかなり面食らったというのが正直なところ。最終章で触れられる、総称文が我々の偏見を助長するという方向でしばしば悪用されるという問題、全称文と総称文の区別が曖昧にされてきたという論理学自体が抱える問題については興味深く読んだ。2019/10/03
tolucky1962
7
『たまごが三個ある』と『たまごが三個分ある』の違い。『三個のケーキを食べて良い』の三個は三個以下,『三割の問題に答えなければならない』の三割は三割以上である。等々がこれでもかと詳しく書かれる。総称文の例として『ペンギンは卵を産む』を挙げる。正しいと思わるが雄や雛は生まない。総称文は偏見を助長しハラスメントになる例『女性はスカートをはく』を挙げる。言語の特性理解は人を傷つけ,騙されないために必要だ。本書は日本語を知るには面白いが,著者はこの学問を哲学の一分野としている。2019/10/31
oooともろー
4
論理学から日本語を分析。けっこう難しい。「量化」がこんなに複雑だとは。総称文の危険性には大いに納得。2025/05/07
てながあしなが
3
新書だけど、むちゃくちゃ高度。いったん第3章まで。気が向いたらいつかリベンジする。2025/01/03
うぃっくす
3
なんとか読み終わったけど理解はしてないです。読めば読むほど自分がなんでこんな複雑な言語を母国語として使えているのか謎。理解はしてないってのがポイントね。論理学的に正しく説明しようとするとまどろっこしいなあー。文脈と繋がる言葉が特に大事なのかな日本語は。総称文と全称文のくだりはわたしもこの言い方トリックだよなあって常日頃から思ってたのですっきり。カラスは黒い、は真だけど例外があるのよ。 非論理的な言語はなく、言語の非論理的な使用があるだけである、って言葉がささったのでせめて書き言葉くらいはちゃんとしたいね。2021/03/28
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