内容説明
就活やバイトで忙しい学生に、どうやったら、しっかり卒論を書いてもらえるのか。長年、学生の卒論指導に苦労し、失敗を重ねてきた日本史の先生が書き下ろした、本当に学生に役に立ち、使ってもらえる面白い卒論執筆ガイド。普段のレポートとはレベルの違う、人生一度の学術論文をしっかり書くための、コンパクトだけど強い味方。また、過去に卒論を書いた社会人には、悔恨と懐旧の情がないまぜになって押し寄せること間違いなし。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さとうしん
21
章立ての重要性と考え方、注釈の付け方、研究史の整理、結論のまとめ方(シャーロック・ホームズをたとえに出しているのは面白くてわかりやすい)など、卒論執筆の必要事項が的確にまとめられている。主に日本史学での卒論執筆を念頭に置いているが、文学・哲学なども含めて人文系全般の手引き、更には一般読者のための論文執筆入門としても使えるようになっている。2019/09/20
崩紫サロメ
14
タイトルからはもう少し専門的な内容をイメージしていたが、かなり一般的な論文の書き方の本であった。(そもそも論文とは……などからの)しかし、日本史の研究者らしい説明もあり面白かった。例えば「権門」の注で広辞苑を引いたら、黒田俊雄の「権門体制論」も知らないということがバレてしまう、など。どちらかというと、大学で卒論指導に苦労する教員や、後輩へのアドバイスに困っている院生向けの内容かもしれない。2019/11/12
キリル
14
歴史学を対象としつつも歴史学に関わらず広く人文科学分野で通用する「苦しい」けれども「楽しい」となるような卒業論文の書き方について説明した本。文章は結構フランクな感じで、でも説明は丁寧で、卒業論文に四苦八苦している学生に向けてなんとかタメになるアドバイスがしたいという著者の優しさというものを感じました。歴史学における卒論の取り組み方について勉強になりました。「おわりに」の章にある例が印象的でした。卒論提出間際になってパソコンやプリンターが謀反を起こしてしまうのはつらいですね(白目)2019/10/20
futabakouji2
13
ああ、読んだ内容をしっただけではなく、自分なりに疑問を思ったこととその答えを見つけないといけないと思った。論文を書くというよりも文章を書くための基本を知った。2019/11/03
電羊齋
12
史料の収集から章立て、注の付け方、研究史の整理、論の組み立て方などなど論文を書く上で必要な技術をわかりやすく具体的に解説。読みやすい文章で、歴史学の卒論を執筆する学生だけでなく一般読者にもおすすめ。またそれだけではなく、在野の「日曜歴史家」のための歴史研究、執筆入門としても広く使える。2019/11/19