内容説明
クトゥルー!ヨグ・ソトート!アザトート! ……ホラーの世界で、こんなにもぞくぞくする名で呼ばれる存在は類を見ない。その名だけで、異次元から来た想像を絶する怪物だとわかる。H・P・ラヴクラフトが創造した、幻想文学史上もっとも怖ろしいものたちを、21世紀にクトゥルー神話の可能性を追求しつづける気鋭の作家たちが、新たな視点から描く。 邦訳紹介が停滞しがちだった現代海外クトゥルー神話を一望するアンソロジー、堂々の登場。解説は幻想文学の第一人者にして『クトゥルー神話大事典』の著者、東雅夫。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
66
大好物と云っても過言ではない!ラヴクラフトの産み出したモンスター達を現代の作家たちが巧みに描写している。ゲイマンはハマー・フィルムの世界を融合し、バロンは西部劇に新たな神話を築く、ブキンは自然災害に隠された恐怖を顕にし、ホッジはインスマスの今をものがたり、ニューマンのアメリカンな一夜の情景に、スペンサーはスチームパンクの世界に怪物を跋扈させ、ベアは堕天使と怪物をひとくくりにし、チャペルは狂気山脈のビジョンを再現した滅亡の日を活写する。2019/12/15
ヴィオラ
13
パスティーシュを入れないという編集方針のため、ラヴクラフトっぽい話を読みたい人には逆に勧めづらいアンソロジーw 上巻で印象深かったのは2本。1本は「暗黒神ダゴン」を何度も挫折したフレッド・チャペルさんの「残存者たち」。とにかく「ダゴン」のイメージで読むとかなり驚くw 前半の、対〈古きもの〉サバイバル的な展開がすごく良くて、これで最後まで通してくれてもとか思ったりしたけどw もう1本はナディア・ブキンさんの「赤い山羊、黒い山羊」。かなり不穏で、雰囲気抜群。この人は、もっと紹介が進んで欲しい。2020/02/02
ぶうたん
10
これまでのマニアックなクトゥルーからは一歩引くことを目指した作品集とのこと。その意味では濃さはまちまちで、クトゥルーっぽさを濃く感じるものから、SFやスチームパンク風などに、どこが?と思えるようなものまで千差万別で楽しい。クトゥルーについては、もはやホラーなのか何なのかわからなくなっているけれど、沢山の怪物くんの登場するサブジャンル(遊び場?)として既に確立されている気がするので、これはこれで宜しかろう。下巻にはランズデイルも収録されるようで楽しみ!2019/10/13
ハルト
9
読了:◎ あまりくわしくないクトゥルー神話を、ラヴクラフトに影響を受けたようではない作家たちが書いているというアンソロジーだったので、構えていたよりも読みやすくおもしろかったです。「世界が再び終わる日」「赤い山羊、黒い山羊」「ともに海の深みへ」が好みでした。2019/10/21
Ai
8
海外の人気作家によるクトゥルーアンソロジー。幻想的なコズミックホラーに真っ向勝負する作品もあれば、粋なノワールに仕立てられていたりと、十人十色で楽しい。ブライアン・ホッジ『ともに海の深みへ』は、ストレートな現代劇でよき。下巻も読むぞ。2022/10/16
-
- 洋書電子書籍
- The Turning (Movie …
-
- 電子書籍
- 源氏物語 6巻 まんがフリーク