サザビーズで朝食を

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サザビーズで朝食を

  • ISBN:9784845916320

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内容説明

・シャガール、ミロは、ブルーが多いほど高額に?
・ゴッホは自殺したからこそ、価値が高まった?
・アーティストの「狂気」は市場に影響を及ぼす?

世界最古の国際競売会社サザビーズでディレクターを務めるフィリップ・フックが、長年の経験をもとに作品の様式からオークションの裏側まで、美術に関するさまざまなトピックを解説!

ガーディアンズ、サンデー・タイムズ、フィナンシャル・タイムズ、スペクテーターなど各紙誌で「Books of the Year」を受賞!

美術作品を見たときにこのような疑問を抱いたことはありませんか?

「この作品はいくらだろう?」
「あと五年か十年たつと、どのぐらいの価値になるだろう?」
「うちの壁にかかっているのを見たら、みんなは私のことをどう思うだろう?」

美術市場で35年以上にわたって仕事をしてきたフィリップ・フックが、誰もが気になる(けれど大っぴらには聞けない)「美」と「お金」に関する疑問をわかりやすく解説してくれます。

本書は「アーティストと彼らの秘密」「主題と様式」「ウォールパワー」「来歴」「市場模様」という5つのパートで構成されており、それぞれのセクションで、買い手が美術品に対して最終的に支払う金額の決め手となる要因を、著者の主観的な視点で分析しています。

「ときに滑稽で、ときに暴露的で、またときに刺激的で、さらには素晴らしくもあれば不条理」な美術の世界。
その裏側に潜む「美」と「お金」についての物語を楽しんでください。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Willie the Wildcat

64
主観性と付加価値。創作側の想いと鑑賞側の欲。それぞれの差異と、差異の交錯が織りなす芸術の裏舞台。前者で印象的なのが、フェルボークホーフェンの「羊の絵の値付け」のエピソード。後者は「頽廃芸術」の件。共通項は、人の持つ欲。乖離は倫理的許容範囲。ナチスの頽廃芸術と認定された作品が高値となる現実には、唯々唖然するしかない。美術館同士の争いや、美術館vs.オークションなどは、これに比べると微笑ましい諍い。因みに、”アーティスト街”と言われて、真っ先に頭に浮かんだのがトキワ荘。これも芸術也! 2018/06/28

Miyoshi Hirotaka

25
怪盗ルパンもルパン三世も美術品は重要なターゲット。しかし、換金が難しいので現実的には難しい。美術品の資産価値が決まる要素は極めて複雑。美学や美術史の流行、作者の全作品の中での位置づけ、作品の主題、様式、来歴等がある。また、作者の自殺、ナチスによる退廃認定などの要因も価格に影響する。サッカー選手の移籍料とも相関するから不思議だ。戦争や革命で大規模な移動も発生。ナポレオンの収奪品をヒトラーが盗み、スターリンが隠すという連鎖も起きた。価値を生み出そうという思惑と富の集中が織りなす魑魅魍魎の世界に興味が尽きない。2017/12/21

けいご

18
高い価値のアートがどの様に生まれるのか?一言で言うと良くも悪くも「奇跡の形」に成長してしまったからなんだろうね。現在に至るまでに作品・作者に起きた運命、作品のメッセージや色彩、作品を取り巻く人々や経済、それらが複雑に絡み合って生まれて来るのは本当に奇跡だと思いました。アートの価値をあらゆる角度でわかりやすく教えてくれる超面白い貴重な一冊でした★何かしらアートに触れるたびに「アートが人を狂わせるのか、それとも人がアートを狂わせるのかどっちなんだろう?」といつも僕は思います。まぁ、だからいいんだよね〜w2020/10/17

ひろ

16
オークション会社で美術品に35年以上携わってきた著者が明かす美術品とお金の関係性。長期間にわたって読み進めたので、前半部は記憶が薄れかけている。ただ原題にA-Zとある通り辞典的な側面を有するので、また気が向いた時に拾って読み返したいと思う。ユーモアを交えて語られる体験談は読み物としても面白い。早世や自殺した画家の作品は高値がつきやすい、同じ画家の作品でも特定の色合いのものは価値が高い。果てはサッカー選手の移籍金との関係といった予想外の切り口も。価値の生まれる過程が面白い。読めば誰かに話したくなる本。2021/12/13

犬養三千代

7
ふむふむ。美術のせかいの魑魅魍魎ぶりに驚くばかり。2018/03/22

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