岩波新書<br> ことばと国家

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岩波新書
ことばと国家

  • 著者名:田中克彦
  • 価格 ¥836(本体¥760)
  • 岩波書店(2019/09発売)
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  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004201755

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内容説明

だれしも母を選ぶことができないように、生まれてくる子どもにはことばを選ぶ権利はない。その母語が、あるものは野卑な方言とされ、あるいは権威ある国家語とされるのはなぜか。国家語成立の過程で作り出されることばの差別の諸相を明らかにし、ユダヤ人や植民地住民など、無国籍の雑種言語を母語とする人びとのたたかいを描き出す。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

360
学生の時以来の再読。最初に読んだ時に得た納得の感覚が蘇る。本書は出版後40年を経過しているが、その内容は全く古びることはないし、これ以降も著者の基本的なスタンスに変化はないだろう。「ことば」(パロール)そのものは中立だが、それが国家との関係に立った時に必ずしもそうではなくなることは、ここにもたくさんの事例が引かれているごとくである。身近なところでは琉球語(あるいは沖縄方言)やアイヌ語の問題を我々はそれと知りつつ遠ざけてもいる。故郷なき民のイディッシュ語やピジン・クレオールなど広範な解説にあらためて納得。2022/07/16

夜間飛行

151
アルザス語への圧迫や琉球の罰札制度など、言葉に対する国家の統制は恐ろしい。言語の混血ともいえるクレオールへの差別も、自分が親から教わった言葉をそうされたらと想像するといかに酷いかがわかる。実は、初めの数章は、母語礼賛のように思えて素直に頷けなかった。また、中世ラテン語の文法や「文字の秘儀性」が、社会の階層化と差別を推し進めたという話も的を射ているだけに、国文科出身で文法や古典を学んできた私には辛いものがあった。が、いつのまにか、言語から付着物をはぎとって光の下に見極めるという著者の強い意志に共鳴していた。2020/05/02

kaizen@名古屋de朝活読書会

41
#説明歌 母国語は母語「不用意に繰り返し用い続けられているからである」p.41 p.s. ニューギニア、ソシュール、ラテン語、「俗語が文法を所有する」、イディッシュ語など興味をもっていたけど深めていなかったことがいっぱい。岩波新書 国語に追記。https://researchmap.jp/joexclg98-45644/2019/11/16

かふ

25
学校教育の国語は、母語を母国語を矯正するためのものだとか。母語は、子供が母親から自然と覚えることば。そして、それは方言の場合もあれば国語とは別の言語でもあるかもしれない。アイヌ語とか琉球語は国語とは言わない。外国語とも違う。ではなんなのか?方言の一種とされているのか?琉球語(沖縄語)はそうでした。アイヌはまた違うようなのだが。 沖縄では方言を使うと罰札があって、沖縄方言を使った子供はそれをずっと付けていなければならない。外せるのは、他の方言を使った生徒を密告するとか。相互監視システムだった。 2022/12/02

y_nagaura

17
言語がいかに政治的であり、国家によって規定されているかがわかり、大変興味深い。また、方言やピジン語・クレオール語など「くずれたことば」と見なされがちなことばに論理的な武器を与えてくれる「希望の書」である。これほど感動的な学術書は初めてでした。圧倒的にオススメです!2019/06/24

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