内容説明
歴史とは現在と過去との対話である。現在に生きる私たちは、過去を主体的にとらえることなしに未来への展望をたてることはできない。複雑な諸要素がからみ合って動いていく現代では、過去を見る新しい眼が切実に求められている。歴史的事実とは、法則とは、個人の役割は、など、歴史における主要な問題について明快に論じる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
102
岩波新書愛好会】第1章では、歴史家について、ケンブリッジ近代史を引用して解説している。 第2章で、社会と個人について整理している。 第3章は、「歴史と科学と道徳」である。 注なども豊富で、歴史に親しむ際に、読んでおくとよい本である。http://bit.ly/10CJ7MZ2013/06/23
ヨンデル
78
★歴史とは何か/E・H・カー/清水幾太郎訳/岩波新書D1 この本はテレビで「小泉悠」さんが名著だと言っていたので図書館へ予約した。もっと早く読みたかった。初版から63年が経っているのに、内容は色あせていない。それは歴史について、歴史家が事実と真摯に向き合う姿勢を貫いて書いてあるからだ。歴史とは事実から考えた仮説ではない、予測でもない。もちろん「もしも」の話でもない。歴史家が過去の資料を読みあさり、時代の背景を調べつくして、現在の問題に照らして過去を見るところに成り立つものであると言う。2025/09/04
esop
72
歴史は現在と過去との対話である/クローチェー歴史というのは現在の目を通して現在の問題に照らして過去を見るところに成り立つー記録することではなく評価すること/歴史とは歴史家と事実との間の相互作用の不断の過程であり現在と過去との間の尽きることを知らぬ対話なのであります/歴史というのは獲得された技術が世代から世代へと伝達されて行くことを通じての進歩ということ/時代が下り坂だと全ての傾向が主観的になるが現実が新しい時代へ向かって成長している時は全ての傾向が客観的になるものだ(ゲーテ)2024/11/26
彩菜
57
歴史とは客観的事実の編纂ではないという。歴史は人間を他の人間によって研究する他ないもので、自らが観察する主体であり同時に客体である以上その観察は本質的変動を免れない。また歴史を研究する歴史家自身が歴史の一部でありその時代の人間なのだから、彼は現在を通してでなければ過去を眺められない。真の客観はありえない。でもだから歴史は素晴らしいのだという。それは現在と過去の対話のようなもの。歴史家は過去に何故と問いかける、現在の時代、思想、諸問題を反映させて。→2023/04/03
Isamash
56
E.H.カー(英国の歴史家、国際政治学者、外交官)1961年出版著書の訳本(清水幾太郎訳)。歴史は英雄録でも社会的力の活動録でもなくその中間に位置付けられるもの、科学でないとの考え方もあるが歴史は科学である等、至極まともなことが書かれおり、意外性には乏しくあまり面白くはなかった。ただ、物理学の不確定性原理の様に、歴史学者は完全に客観的にはなれず、置かれている時代や個人の考え方が史実判断に少なからず影響があることを論じている。また自然科学の様に、全ては仮説という考え方が主流になりつつあることも記していた。 2023/04/19
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