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内容説明
人生は短く、書物は多い。一生のうちに読みうる書物の数は知れている。それを思えば、いつまでも手当り次第に読んでいるわけにはいかない。どうしても良書の選択が必要になる。何をいかに読むべきか。著者多年の豊かな読書体験と、東西古今のすぐれた知性が残した教えにもとづいて、さまざまな角度から読書を語る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
かわうそ
39
平成天皇の教育係であった著者の渾身の読書論。読書論については佐藤優や齋藤孝にはじまって、松岡正剛、徳富蘇峰、小林秀雄、田中菊雄、加藤周一など様々な読書論を読んできましがこの本が一番しっくりきました。書籍に囚われるなと言う言葉を書籍を読んでいない人が言うことは許されないというのは間違いなくて、ただし、書籍に囚われるなとここで言うのは自分の考えや感覚を当てにしなくなる危険性を述べているのみである。つまり、本を読んでその間に本の内容を検討したり、自分の世界の見え方を振り返ってみるのも悪くはないということ。2022/09/30
梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
31
著者は明仁皇太子(現上皇)の教育の責任者でもあった人。上皇も著者から読書論を習ったのかも知れない。 自分の教養と読解力の浅さにより、読了までかなり時間がかかった。タイトルの通り読書についての自身の考え方が述べられている。また、著者が出会った数多い名著の紹介、あるいは自身の信念なども語られており、内容の幅は広い。 著者は名著で「大冊(厚い本)」を読むこと、繰り返し読むに堪える本に出会い、それを繰り返し読んでみることを勧めている。現代においてそれはどのような本であるのか、探ってみたいと感じた。2020/05/02
1.3manen
25
明治43(1910)年慶應卒業された小泉氏(1頁)。人生は短く、書籍は多い(4頁)。福沢先生は明治の始めに学問の実用を強く説いた警世者。学問は無目的に、熱中しなければ大成しないとも訓えた(13頁)。古典と大著を読むべし(15頁)。時代を劃した名著は、天才的な著者に書かれたものが多い(25頁)。「蘭学事始」は明治2(1869)年福沢先生が尽力し、みづから費用を弁じて始めて版本を作らしめた(34頁)。2015/09/27
SOHSA
25
初版昭和25年 旧仮名遣いと昔ながらの活字が優しい。 何をよむべきか、如何によむべきかから始まり、翻訳、思索のこと、自身の読んだ本の記憶と思い出など多岐にわたる内容豊かなエッセイであった。小泉信三の文章は優しく穏やかで、またたをやかで赴きがある。文章に灰汁がなく読み手の心にストレートに響いてくる。氏の文章と読書論を通じて読書の価値と楽しさを改めて教わった。2013/08/06
kubottar
20
オーソドックスな読書論。英語の勉強の仕方が参考になった。2019/09/30
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