文化人類学の思考法

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文化人類学の思考法

  • ISBN:9784790717331

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内容説明

文化人類学は、あたりまえの外へと出ていくための思考のギア(装備)だ!「こんなに『使える』本は滅多にない。ビジネスマンからクリエイター、学生まで、下手な実用書を買うくらいなら、これを常備しておくことをおすすめする」WIRED日本版元編集長・若林恵(黒鳥社)

目次

はじめに すべての考える人のために
序  論 世界を考える道具をつくろう  (松村圭一郎・中川理・石井美保)
第I部 世界のとらえ方
1 自然と知識――環境をどうとらえるか?(中空 萌)
2 技術と環境――人はどうやって世界をつくり、みずからをつくりだすのか(山崎吾郎)
3 呪術と科学――私たちは世界といかにかかわっているのか(久保明教)
4 現実と異世界――「かもしれない」領域のフィールドワーク(石井美保)
第II部 価値と秩序が生まれるとき
5 モノと芸術――人はなぜ美しさを感じるのか?(渡辺 文)
6 贈り物と負債――経済・政治・宗教の交わるところ(松村圭一郎)
7 貨幣と信用――交換のしくみをつくりだす(深田淳太郎)
8 国家とグローバリゼーション――国家のない社会を想像する(中川 理)
9 戦争と平和――人はなぜ戦うのか(佐川 徹)
第III部 あらたな共同性へ
10 子どもと大人――私たちの来し方、行く先を見つめなおす(高田 明)
11 親族と名前――関係している状態をつくるもの(髙橋絵里香)
12 ケアと共同性――個人主義を超えて(松嶋 健)
13 市民社会と政治――牛もカラスもいる世界で(猪瀬浩平)
参考文献
もっと学びたい人のためのブックガイド
索  引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

翔亀

51
【始原へ1】シリーズ読書【人新世】の分岐で新たなシリーズを始めることとした。一つにはこの始原を探るというテーマは歴史学だけでなく文化人類学に多くの蓄積があるが、どうもこの学問は一筋縄ではいかないことが判ってきたからだ。手始めに最新の(2019年)の入門書の本書。13人の文化人類学者によるこの学問への道案内書だが、これがなかなか良く出来ている。■呪術、贈与、親族と言ったお馴染みのものから、自然、戦争、ケア、市民社会まで13のテーマについてそれぞれ文化人類学者がどう取り組んできたかの成果と課題が語られる。↓2021/01/09

おさむ

35
大学で、文化人類学の講義を受けるとき買わされる入門書みたい笑。呪術と科学の関係や贈与から始まる社会性、貨幣の誕生、グローバリゼーションで揺らぐ国民国家など、最近のトレンドは、案外文化人類学なのかなぁと感じる次第。世界思想社の本だから仕方ないけど、もう少し易しくして欲しいな。2019/12/11

ミライ

33
文化人類学を学び、教えている13人の執筆者による著書。「あたりまえと思っている」事から外へ出るための学問である文化人類学を通して、さまざまな「常識と思われている」ものに疑問を呈して深掘りし、他の側面から考えてみる手法を提唱する。テクノロジーの進化により、時間の流れがこれまでの何倍にも加速している現代にこそ学ぶべき学問。2019/04/19

Tenouji

29
単純に個人的興味の問題ですが、前半は食傷気味のトピック、でも「国家とグローバリゼーション」から俄然面白くなった。自分の興味が、今は、価値と秩序と共同体にあるのがよくわかった。人間は、「想像力」も利用するし、それが「暴力」であっても、恒常性を保とうとする生き物だということ、その恒常性の源泉が何か、ということを探る学問が文化人類学なんだなと納得。2019/06/12

佐倉

21
民族の呪術や妖術など学生の頃受けた講義の内容と近いものもあれば現代政治や社会に目を向ける領域の話もあり自分のような初学者へのガイダンスのような内容だった。文化人類学は今生きる世界の考え方や在り方を自明のもの、唯一のものと考えがちだがそうではないということを考えていく学問なのかも、と改めて感じる。読了した金枝篇がどのような位置にあるのか、他の学者は呪術をどう研究しているのかなども書かれていて参考になる。次はタンバイアがカストロを読んでみたい。廣田龍平の妖怪研究の本への解像度も上がった気がする。2024/03/14

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