内容説明
「誰も知らぬ」「恥」といった女性語りの作品や、 心中事件をモチーフにした「雌に就いて」など、 『若草』『婦人画報』といった女性雑誌に掲載された19作品を掲載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
57
面白かったです。婦人向けの雑誌に書いた作品を集めているので、興味深く読めました。女流作家かと錯覚するくらい女性らしく感じます。女性が主人公であったり、女性独白体で描いたりした数々の作品は女性より文壇に認められたというのも肯けます。2020/08/29
b☆h
42
『金曜日の本屋さん』に出ていて気になっていた作品。表題作を含む、女性雑誌に掲載された作品がまとめられたものとのこと。汲み取れないものもあったけど、面白く読めたものもいくつかあった。『葉桜と魔笛』では姉妹愛にほろりときて『ろまん燈籠』の家族の関係が面白く、一番好きだった。『雪の夜の話』も掛け合いの面白さや、嫂を思いやる気持ちが良かった。ただ、自分の知識の少なさを改めて感じた作品でもあった。2023/01/18
Mie
1
おしゃれな装丁〜〜! 太宰の作品のうち、女性が語り手のものや登場するものを集めた本。昔の仮名遣いで、読むのは普通の本より時間はかかるし、正直何言ってるの?となるところもあるけど、それもまた一興。2022/06/08
めーてる
0
太宰治が婦人向け雑誌に書いた様々な小説やエッセイをまとめた一冊。こんなの婦人向け雑誌に書くか!?という内容のものも収録されていて、なんだか無頼派な感じがそこからした。「ろまん燈籠」と、あと一等、「雪の夜の話」が好き。特に後者は、珍しく美しい。2019/11/11