内容説明
フォーラーは、〈最初の日〉にみずからが持っていた写真の女性と瓜二つのストームや、“村”で出会った男スネークバイトを旅の仲間にする。だが、ストームやオーキッド、フォーラー自身とそっくりの人びととも出会い、世界の謎はますます深まってゆく。一方、ピーターの世界では、戦争と生物兵器による死病が蔓延していた。それらすべてを解決しうるピーターの量子クローニング技術はしかし、取り返しのつかない事態を招く……。世界はなぜ、これほど奇妙に変貌してしまったのか? フォーラーたちはすべての答を求め、虚空の島々を降りてゆく!/解説=堺三保
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あさうみ
49
楽しかったーー!消えた記憶で血で書かれた地図を片手に何が起きたのか探る冒険SF。変わり果てた厄災の世界、2つの世界が交互に語られ、少しずつ真相が明らかになる引き付ける構想はお見事。悪役を攻略する、この手段は想像しなかったなあ。僕は君に恋する運命っていうのもいいですね。2019/10/03
ざるこ
46
生物兵器による疫病とシンギュラリティのとてつもない力。重なり合う人物たち。ラピュタからバイオハザードに転換したような下巻です。なぜそうなる?の根拠のなさや、ちょいちょい入るご都合展開も勢いで読み捨てられるスピード感。2つの世界は破滅への道と再生への道。選択も人情も置かれた状況による自己の多面性もありながら、やはり求めるべきものは同じというのが複雑にも助けにもなる。フォーラーの最後の選択…その手があったか!ウーゴの憎悪が消え去る瞬間をカウントダウンで楽しめる。全てを完結させないラストが余韻を残していいです!2019/09/19
miroku
22
シンギュラリティとか言えば、なんでも許されるわけじゃないよ?でも、面白いから許すけどね。2020/05/21
ボーダレス
20
冒険活劇的SFという感じで、主人公である記憶を失くした、フォーラーの冒険パートと科学者であるピーターと敵対するウーゴのシナリオが交互に語られ、記憶障害を引き起こす生物兵器による疾病や世界激変の謎に迫っていく。SFガジェットである複製というクローニングやシンギュラリティという設定はエポックメイキングかつ壮大な世界観なのだが、ラストに繋がっていく話の落ちは平易で、ん? そうなの~!?と、ツッコミを入れたくなった。2019/11/09
もち
14
「ぼくは落ちていた。それは鮮明に憶えている」◆血染めの地図を頼りに、フォーラーは世界の真実を求めて落ちていく。戦争を終わらせるため、ピーターは未知の現象を解いていく。厄災に見舞われる二つの世界で、彼らは下層と真理を目指す。何度も何度も、過ちながら。■エンタメとして非常に優秀。章が終わるごとに、大小さまざまな新発見が量産されていく。しかし凄まじい世界だった。三日続けての自由落下が只の移動手段で、他に驚くべきことが幾つもあるのだから。2019/09/02
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