内容説明
ノーベル物理学賞受賞の前後、アインシュタインは日本、パレスチナ、スペインを訪れていた(1922年~1923年)。
本書はその期間に本人が書き記した日記・手紙類を網羅した一冊である。
公開を考えずに綴られた日記には各国民への辛辣な観察も散見される一方、日本人についての好意的記述が目につく。
20世紀を代表する科学者による貴重な証言である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
獺祭魚の食客@鯨鯢
63
日本人が最も偉大な科学者と崇敬しているアインシュタイン博士は、日本人を愛しているが故に次のように警告(提言)しています。 「日本人は、西洋と出会う以前に本来持っている美徳として持っている生活の芸術化や個人に必要な謙虚さと質素さ、純粋で静かな心などをいつまでも忘れずにいて欲しいものです。」 「和魂漢才」「和魂洋才」「和魂米才」と外来「文明」を採り入れながらその精神は変わっていません。文明「面従腹背」で日本「文化」を守り続けています。 2020/05/06
トムトム
25
伝説の人間として神格化されがちな天才、アインシュタインさん。自分の見聞きしたことや感情を普通に書いていて「実在の人間だったんだなぁ」と身近に感じました。日本の船に乗って日本・パレスチナ・スペインを旅した際の日記です。アインシュタインさんも明治の日本に対して「欧米に追いつこうとしているけれど、日本のほうが欧米より進んでいる部分もある。それを失わないで欲しい」と言っている。多分、現在の日本人はそれを失っていないと思います!2022/03/23
ホームズ
23
アインシュタインが日本に割りと長期滞在していたとは知らなかった。日記ではあるけど短い文章でメモのような箇所もあったりする。やっぱり日本人について触れられる所は気になってしまうな~。アインシュタインは付き合うには難しい人なんだろうな~って思ってしまう箇所も色々あった。写真もたくさんあったし面白い本でした。2019/10/23
kei
19
アインシュタインが日本、パレスチナ、スペイン、(途中上海などにも立ち寄る)を旅行したときに書かれた日記をまとめたもの。約1/3がアインシュタインの各国に対する印象、約1/3が日記、30ページほどが補遺(手紙やスピーチ)、最後1/3が参考文献など。正直、日記は体言止めばかりで読みづらく途中から流し読み。補遺の「日本の印象についてのおしゃべり」はこの短い滞在で日本をとても掘り下げたもので興味深かった。…もっと日記が多いのかと思っていたので少し期待外れ。 2020/12/25
yuzyuz_k
7
興味深い内容です。 日本について、褒めすぎな感じな気がしますが、アイシュタインが大切した方が良いと書いた部分は、全てではないですが、劣化は進んでいます。全体的には、アインシュタインを客観的に捉え様としていて変に持ち上げず読みやすく分かりやすかったです。 翻訳者の方の腕がよいのだと思います。2019/11/04