「失われた時を求めて」の完読を求めて - 「スワン家の方へ」精読

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「失われた時を求めて」の完読を求めて - 「スワン家の方へ」精読

  • 著者名:鹿島茂
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • PHP研究所(2019/09発売)
  • GWに本を読もう!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~5/6)
  • ポイント 600pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569772004

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内容説明

20世紀文学の金字塔である、マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』。ところが、その難解さと長大さゆえに、最後まで読むのは至難の業。途中で挫折した人は数知れず。そんな難攻不落の大傑作を制覇する道しるべとなるのが本書です。全7篇のうち、第1篇「スワン家の方へ」を丹念にひもときながら、全篇を読み通すヒントを紹介します。『失われた時を求めて』は当初「スワン家の方へ」のみで構成しようとプルーストは考えていました。そのため、この本を読めば、プルーストの狙いや読みどころなど、完読のために必要なポイントを知ることができます。「このくだりは退屈に感じてOK」「この描写には実はこんな意図がある」「こういう表現が出てきたら、注意深く読む」「これは伏線となる大事な箇所」など、大長編を読み通せる勘と基礎体力が身につくはず。また、有名な「紅茶とマドレーヌ」をはじめ、『失われた時を求めて』のハイライト・シーンが多数登場する「スワン家の方へ」によって、最終篇まで到達する弾みがつくのです。著者自身が大長編マニアにもかかわらず読み通せなかった経験を持つため、つまずきやすいポイントをおさえながら、完読へと導きます。原典からの引用は、すべて著者訳。「鹿島版プルースト」が楽しめる一冊でもあります。母親に「おやすみのキス」をねだる少年の苦悩、紅茶にひたしたマドレーヌがよみがえらせる記憶、19世紀末パリの華麗な社交界で繰り広げられる猜疑と嫉妬に満ちた恋――。挫折した人も、ゼロからの人も楽しめる、エキサイティングな読書体験! 世界的名著のエッセンスを味わえます。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

173
『失われた時を求めて』集英社文庫版とりあえず5巻まで、 『失われた時を求めて 全一冊』に続く、第三弾で本書を読みました。本書自体が途中で連載中止になり、完載出来ていません(笑) 但し、本書を読んで完読の意欲&興味が更に湧いてきたので、来年『光文社古典新訳文庫版 失われた時を求めて』完読プロジェクトを立ち上げたいと考えています。 https://www.kotensinyaku.jp/books/book110/2019/10/18

tom

27
良書。「スワン家の方へ」を読んだ後で、この本を読むと、そうだったのですかという目から「ウロコ」がいっぱい。時間の感覚の奇妙さ、主人公の年齢不詳の理由、曖昧さの理由などなど。それにしても、プルーストを楽しんで読むということは、文化的背景、時代的背景、当時の風俗などを知っていることが前提にあるらしい。教養があるかどうかどうかなのだけど、そういう教養はもともと持ってないよねと少々ため息も。現在、文庫本の6巻目を読んでる最中なのだけど、がんばって読み通そうという気力が少々わいてきた(笑)。2020/07/18

きゃれら

17
完読後、物語を円環させることになる読書。岩波文庫では1,2巻にわたっていた「スワン家のほうへ」を徹底的に解説した1冊。自分だけで読んでいてはとてもじゃないが分からない仕掛けを次々に解き明かしてくれている。完読しているからこその「なるほど」もたくさんあった。本編のヒロイン、ジルベルト、ゲルマント公爵夫人、アルベルチーヌの容姿が結局読者には分からない、という仕掛けは、極めて現代的なものなのだなと腑に落ちた。2022/05/07

ラウリスタ~

16
仏文業界では全く評価されないだろうが、門外漢からすると鹿島茂的面白さはやはりある。6「隠匿」が白眉。フロイト的な「置換」「隠蔽」の方法論的探究として「就寝の悲劇」を解説。(仮に同性愛を隠蔽しつつ語るとしたらどんな小説になるだろう)。ただし、後半はあまり面白いところがない。各章の半分くらいを引用が占めており、それについてコメントしていくので、後半はかなり惰性になって、スワン的恋愛=オタク、ストーカーなど若者を意識した言葉で例えるがそれが上手くいっていない(文学研究者がステレオタイプの使用に無頓着なのはだめ)2020/06/01

パトラッシュ

13
10年以上前、集英社文庫版で「失われた時を求めて」を完読した。当時はひたすら文章を追うだけであったが、本書を手に取ると第一部「スワン家の方へ」の多くの場面を覚えていて驚いた。最初の退屈な部分をこらえて読み続けると、やがて他の文学作品にはない「時間」の描写に魅せられた。誰にでもある子供の頃に行った土地を再訪したり、なくした品が数十年ぶりに出てきて記憶が甦る経験を、プルーストの精細な筆に乗せられて何度も繰り返したのだ。そして今、ひとつひとつの文章の裏側に隠された意味を解説され追体験できたのは至高の時間だった。2019/09/21

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