内容説明
結婚して、離婚して、新しい人に恋をして、それでも「家族」は続いていく。2019年本屋大賞2位『ひと』で話題の俊英がおくる、新しい家族の物語。川遊びの最中、小学生の娘・菜月が友人の娘と溺れるのを見て、とっさに助けに飛び込んだ守彦。必死の想いで引きあげた腕の中には、菜月ではなく友人の娘がいた。「お父さんは菜月をたすけてくれなかったもん」その言葉を最後に、口をきいてくれなくなった血の繋がらない娘。七歳年上の妻ともすれ違いはじめ―――。困り果て、とりあえずの間と家を出る守彦だが、会社の後輩や、川遊びに来ていたシングルマザーとの何気ない会話の中で、娘と妻への本当の気持ちに気づかされていく。いつもあと一歩が踏み出せない、不器用な守彦の出す答えが心にしみる、新しい家族の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
aoringo
101
バツイチ子持ちの年上女性と結婚したが、その子供としっくりこない主人公。本の中で登場する何人かの愛の形を読んでいて自分はどの人に近いかなと考えると、やはり勘違い君で理屈っぽい主人公かー。100%相手のことを信じられる小池くんみたいな人のほうが幸せになれるんだろうな。あと人が誰かを好きになる理由に顔を何度か挙げていたけど、反発する一方であ、なるほどと思うところも。終始主人公が冴えなかったけど情けない男を描くのが上手な作家さんだなと思いました。2022/03/23
おしゃべりメガネ
83
約6年ぶりの再読です。ほっこりモノを書いてくれる作者さんですが、時折ちょっとシリアスなモノも書いたりします。本作はシリアスとまではいかないまでも、決してほっこりではない作品かなと。最初から終盤まで暗いとまではならなくとも、なんとも静かなトーンで物語は進み、ちょっとモヤモヤ。主人公はじめ登場人物の大半に感情移入できず、消化不良気味。離婚、シングルマザーなどのテーマを扱っており、決してネガティブな目線で読んだつもりはありませんが、やはり主人公のキャラ、言動にスッキリせず。たまにこういう感じの作品ありますよね。2025/03/22
となりのトウシロウ
77
豊永守彦35歳は7つ年上の妻成恵と血の繋がらない小一の娘と暮らす。ある出来事を機に娘から疎まれ、2年間の夫婦生活に終止符を打つ。その出来事のもう一方の当事者である結衣さんと留衣ちゃんに急接近する。どちらの女性にも子どもがいて、守彦は女性とその子どもとの距離感に悩むのは当然。恋愛は相手との距離感が大事なんだろうけどその相手により十人十色で同じものはない。それを「愛の程度」と著者は言ってるのかな?真面目で風変わりな小池くんみたいなのはある意味幸せ。顔を始め見た目も大事な要素。恋愛って難しいねぇと改めて感じる。2023/09/10
J D
76
全日本この作品の作者は誰だ選手権の一回戦がこの作品だったら私は一回戦敗退だ!という位、小野寺風味を感じなかった。小池君には、親しみを感じるが豊永さんはどうだろう。愛の程度ねぇ~。うーん、顔がどうだとか言ってる時点で私的には、アウトかな。人を愛することに個人差はあれど濃淡はないように思うのだが。口直しに映画寅さんでも見て「愛」を感じたい。2024/04/07
やも
76
結婚、別居、離婚、新たな出会い。流れる時間の中で色んなことは起きるけど、私にとっては特別な人にしかしない事をヒョイッとこなしていく登場人物達に戸惑った💦でも、私が戸惑うようなことも当たり前にこなしてく人もいるよな🤔そりゃそうか、みんな違うわ😞「いいな」「イヤだな」「なんとも思わない」その物差しは人それぞれ。私なら好きな人とは誤差を小さくしたい。合わせたいとも思うし、合わせてくれるなら愛を感じる。それかあえてその誤差を楽しみたい!ま、それが中々難しいんだけど😅そんなことを考えてしまう読書だった。★32022/02/28
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