講談社文庫<br> オライオン飛行

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講談社文庫
オライオン飛行

  • 著者名:髙樹のぶ子【著】
  • 価格 ¥792(本体¥720)
  • 講談社(2019/09発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065168141

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内容説明

舞台は大戦前夜の1936年。九州帝国大学医学部附属病院で働く身寄りのない看護婦・久美子は、東京への冒険飛行中に墜落した仏人飛行士アンドレ・ジャピーの看護にあたることになった。言葉も通じない二人の間に、いつしか燃え上がる恋の炎。それは決して周囲に知られてはならない恋だった。そして謎めいたアンドレの背景を知るすべもなく、別れは訪れた…。時代は下り、久美子の姪の娘・あやめは、謎に包まれた当時のラブストーリーの真相をたどってフランスへ。著者最高傑作。大人のための恋愛小説!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あすなろ

56
1936年パリ-東京間懸賞飛行挑戦中に九州の山中で墜落したことから始まったフランス人飛行士と日本人看護婦との切ない恋。これは実話に基づいているのか?悲恋とも現代視点で描かれているがそうなのか?切ない、の描写の方が合っている。幸福感に必死で耐えていなくては、この後の長い不幸に立ち向かえない久美子の様にのめり込む読書となる。そして、戦争という渦に、正に彼等の背後には、正に海霧が毛羽立つ様な勢いで迫って来るのである。高樹氏作品は遥か彼方の昔にしか読んだ記憶ないが、改めて諸々読んでみたいと思った素晴らしき一冊2019/10/14

ひろりん

11
80年前に九州の山中に墜落して助け出されたフランス人飛行士と大学病院の看護婦の恋。長い時を経て、その封印が解かれて…。単なる恋の物語ではなく、残された懐中時計をめぐる謎を解き明かす展開が面白かったです。物語の中心となるあやめと良一は年も違うし、物の見方も違います。この話を恋愛か妄想かというと、あやめと良一どちらの見方も正しいと思います。人間って色々な面を持ち合わせていて、そんなに単純なものじゃないですから。しかしどちらに共感するかというと、私的には素直に情熱的な恋の物語としたいところです。2019/12/28

こばゆみ

6
いかにも純文学然とした恋愛小説。裏のあらすじには「ミステリー」って書いてあったけど、ミステリー感はほとんど無し。日本とフランスを行き来していたり、キーアイテムとして時計が出てきたりするので、大人でお洒落な恋愛小説を読みたい時に。2019/10/13

ふう

3
(2022.6.10)戦前の、祖父の姉のフランス人飛行士との秘められた恋を知り、その顛末を探るあやめ。ドラマや小説でよくあるパターンである。アンドレ・ジャピーの墜落事故と日本での療養は事実らしい。当時の社会情勢の理解に必要とはいえ、あやめや久美子に感情移入しかけているところに、第三者(作者?)の説明が入るのはちょっと興醒めだった。時計を分解する場面は読む方も緊張した。ジャピーのその後をもっと知りたかった。2022/06/14

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2
アンドレが日本を離れたあと、結局誰が何をしてどうなったのか、全ては謎のまま。リアルと言えばとてもリアルな終わり方だが、ドラマを求めた読み手には独りよがりな私小説を間違って読まされた様な徒労感が残る。途中突然作者が読者に語りかけてくるのも昔風で、ちょっと興を削がれた。2019/12/13

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