内容説明
大人が、自分自身に満足するための25篇
巨万の富や名誉を手に入れたあと、次に人が欲しくなるのは、この夕焼け空なのかもしれない。(本文より)
『悪人』『横道世之介』『さよなら渓谷』『怒り』などの ベストセラーで知られる芥川賞作家・吉田修一が、 日々を懸命に生きている大人たちに贈る、 どこまでも前向きで心に沁みる50篇のエッセイです。
大人たちを縛る「記憶」との上手な付き合い方がしみじみ伝わってくる 『泣きたくなるような青空』の25篇、
自分自身がいかに唯一無二でユニークなのかをあらためて自覚できる『最後に手にしたいもの』の25篇の、2冊同時発売。
また、出版業界としては異例の
・紙書籍
・電子書籍
・audible(本を耳で楽しむオーディオブック)
の3媒体同時発売!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoshida
176
ANAの機内誌に掲載されていた吉田修一さんのエッセイ。旅以外にも触れられています。自宅で飼っている猫達への愛情の深さと、注ぐ視線が優しい。伊勢神宮の描写に凛冽な空気感を感じる。パリやプノンペンでの食事の様子も非常に美味しそう。台北でマルーン5のライヴに行く旅は、スタンディングのライヴの熱気と会場の幸福な一体感が伝わる。毎日の暮らしぶりから、吉田修一さんは独身なのではないかと思う。お気に入りの猫達との自由な暮らしも悪くない。平易な文章で実に読みやすい。そして、吉田修一さん独自の視線に触れる事が出来る作品。2017/12/10
starbro
165
昨日の『泣きたくなるような青空』に連続して読みました。前作に比べると外国の話が多めでした。著者が外国に行くにあたって最初にやることは、その国の人々を尊敬する事と書かれていて大変感銘を受けました。これからも著者の小説とエッセイを読み続けたいと思います。2017/10/31
Tsuyoshi
71
ANA機内誌で連載されたエッセイをまとめたものという事で海外旅行に関するテーマが多かった。「海外旅行で現地に最初にやることは現地の国の方に敬意を払うこと」との記述が印象的。現地の方にいかに心地よく受け入れてもらえるかに重きをおく吉田さんの姿勢に感心。機内でこれを読んだ人はいい心構えを得た気分になったんだろうなぁ。2017/11/06
Satomi
68
吉田修一様♡大好き♡「泣きたくなるような青空」に引き続き一気読み。飼い猫との微笑ましいエピソードなどなどエッセイならではの作家さんのひととなりを垣間見れる。笑える話も、ちょっとした失敗談もどこか品がある。豊かな気持ちになれる。贅沢をした気分。機内誌で吉田修一のエッセイを読める幸せ。ANAグッジョブ!!!!2017/11/02
おうち時間
57
ANAグループの機内誌『翼の王国』のエッセイ25篇を書籍化した物の為、旅行に関するエッセイが多いです。コロナ禍で旅行に行ってないから行きたい気持ちがフツフツと。特にプノンペンいいなぁ。旅行以外では「快速電車は埼玉を走る」と「機械音痴」が面白い。埼京線で目の前の男子学生に「うわっ!目の前に作家の吉田修一座ってるよ」とツイートされたのをリアルタイムで読んでしまってドギマギしてる所や私以上に機械音痴な所に親近感。お写真では強面風なのかと思ってたのでギャップが凄い。人柄を知るとまた小説を読んでみたくなりました😊2022/06/03