内容説明
この東京において、決して豊かでなく、むしろよくないイメージすら持たれている足立区で育ち、高校時代は100点満点の試験で2点や6点といった点数を連発し、先生からは留年勧告を受けたこともある(保護者宛の手紙をもらい、初めて高校にも留年があることを知った)、どうしようもないほどの落ちこぼれだった僕。2009年、ついに僕は大学に休学届を提出して、新しい世界を求めて足立区を発つことにした。向かった先は、アジア最貧国バングラデシュ。その土地で会いたかったのは、現代最高の社会起業家であるグラミン銀行のムハマド・ユヌス博士。博士のような人間になるために、グラミン銀行で修業をしたかったのだ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
45
先に「最高の授業」を読んでいたので、ダブるところがありました。 それでも写真が多い事もあって、読み続けるほどにワクワクしてました。 「 最高の」の感想でも書きましたが、彼の強みは支援者、仲間を取り込める人間的魅力。 経営者としての能力は未知数と思われましたが、能力ある人材を取り込んで、アイデアと実行力で、まさかの?!結果を引き出してます。 人を尊敬する素直さが魅力です。 2015/03/08
壱萬参仟縁
33
カラー写真も豊富で、 臨場感たっぷり。 予備校の授業をクラウドコンピューティング。 本当の強調点は、大ゴシ太字。 バングラ版ドラゴン桜(025頁)。 失恋を起爆剤に、ソーシャルビジネスへ(033頁)。 若者のエネルギーをよい方向へ向けたのだった。 大半は、そうならないのでそこは立派だ。 097頁に満面の笑みの著者とユヌス氏の 握手写真。 わたしも2000年の国際学会で 世界一流の研究者と 朝食を共にした経験があった。 2014/05/11
ワダマコト
31
税所さんはバカ正直で失敗すればへこむし、でも「すすめ」って言われたらすぐ前へ歩み出すしで、もう勢いが凄すぎる人。これがやりたい!って思ったらすぐにやり始めるタイプ。この本を読んでいると、少年マンガを読んでいるような熱いストーリーなんだけど、主人公のモチベーションは失恋というすごい後ろ向きなところにあって、至極人間くさいという(笑)。こういうことを成し遂げた人が現実にいて、しかも僕らよりも若い人たちでっていうのを、物心がついた時期から知っておくべきなんだなと思います。2014/01/05
ひろ☆
26
自身が受けた東進ハイスクールの映像授業をヒントに、バングラデシュで予備校の映像授業を行い、貧困地域の高校生が国内最高峰のダッカ大学に入学。まず、笑顔がいい。人当たりがよくて、応援したくなるタイプ。こういう人の助け、つながりが必要な事業には適任。そして、勢い良すぎる行動力。文章はごっちゃな感じがするけど、何より行動、実践、前へ、前へ、前へ!2014/06/20
suite
20
志と行動力。仲間を次々に得て、貧富の差から生じる教育格差の解消に奔走する姿がまぶしい。動くからこそ、様々な人物に出会えるのは彼の資質ゆえだろうが、家庭環境から受け取れる子ばかりではない現状を考え併せ、各段階での教育現場にいる人物とそこで提供できる情報の重要性も感じる。若いうちにどんな人に出会えるのかで、その後の人生が変わってくることを痛感する。お金がない、というだけで、様々なことから隔絶されない世の中であってほしい。(日本も)2015/12/30