内容説明
マスメディアでもSNSでも扇情的な紹介がされがちだが,学問の世界はそうあってはならない。韓国がどのような来歴をもち,国としてどのような舵を切り,そして世間のふつうの人びとはどのように暮らし,どんな問題を抱えているのか。まず手に取ってほしいはじめの1冊。
目次
第1部 歴 史
第1章 朝鮮王朝時代
第2章 大韓帝国~日本統治時代
第3章 米軍政~大韓民国時代
第2部 政 治
第4章 韓国という「国のかたち」
第5章 韓国外交における日韓関係
第6章 南北関係とコリア・ナショナリズム
第3部 社 会
第7章 変化する韓国社会
第8章 韓国家族の「いま」
第9章 韓国の教育と就職事情
第4部 文 化
第10章 再考される伝統
第11章 交差する文化
第12章 模索しつつある韓国
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
lily
85
教科書的な俯瞰した内容とPOPな今の韓国情報とのバランスがとても良くて、もっと韓ドラが愉しくなりそう。参考文献も映画も文学の情報も豊富でモット知りたくなる韓国!愛国心のある韓国人、多くないんだろうな。北欧移住が人気であることは意外だった。2021/06/05
nnpusnsn1945
49
タイトルに嘘偽りなく、韓国について簡単ながらも冷静かつ幅広く知ることができる。歴史は難点がいくらかある。古代史がなく、植民地の加害の記述が少ない。ただし、日本の対応(伊藤博文の植民地反対も、経済的な意味あい)が打算的な物であると解説している。糾弾口調ではないが、一方で国粋主義に与してもいないので、ネットの世論よりは間違いなく信用に値する。本書を起点として、推薦図書の『アリランの歌』を読むと勉強になるかもしれない。なお、三一運動も、後世で語り継がれるほど朝鮮民族が纏まって動いたわけではないようだ。2021/11/26
おさむ
33
丸善でふと手に取った本ですが、良書です。韓国の歴史、政治、社会、文化について、平易な表現でかつ最新の情勢を織り交ぜており、とてもためになります。特に昨今の対立問題の背景や構造的なや要因を知ることができたのは有意義でした。これだけ近くの隣国ながら、意外と知らないことが多いことに改めて驚くべきとともに、なぜ感情的な対立が絶えないのかとも感じます。こうした市民が基礎知識を学べる本が、もっと売れて欲しいと切に願います。巻末の索引やブックガイド、映画ガイドも充実。2019/09/05
おかむら
28
韓国の映画やドラマや小説が去年あたりからマイブームなのですが、時代背景とか社会背景がわかってたらもっと面白いのに、と思ってたところにちょうどいい本! 歴史、政治、社会、文化の4部構成の韓国入門本。「パラサイト半地下の家族」や「82年生まれキムジヨン」もこれを読んどけばわかりみが深くなるかも。2020/02/21
さとうしん
18
ヘイト本、偏見にまみれた本に埋め尽くされている韓国本の中にあって、比較的穏当な内容。取り上げている話題もよくある植民地時代までの歴史、歴史問題、日韓関係だけでなく、現代史、政治(大統領と首相との関係、強い司法の力など)、経済、家族のあり方、K-POP、教育制度、年中行事、兵役問題など、幅広い。2019/12/26