隠された悲鳴

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隠された悲鳴

  • 著者名:ユニティ・ダウ【著】/三辺律子【訳】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 英治出版(2019/08発売)
  • 梅花ほころぶ!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~2/9)
  • ポイント 600pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784862762894

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内容説明

なにが彼らを“怪物”にしたのか?

ボツワナの現職女性大臣が
実際の儀礼殺人事件をもとに描いた
驚愕のアフリカ発サスペンス。

ある午後、ある村で行方不明になった12歳の少女。
村では「儀礼殺人」ではと噂が流れるが、警察は野生動物に襲われたのだと結論づけた。

5年後、その村に赴任した若者が、ひょんなことから事件の真相を追うことになる。警察、政治家、実業家、校長、村人、被害者の母…
何重にも折り重なった嘘と秘密の先で、彼女が見たものとは―。

ラスト10ページ、あなたの耳から悲鳴が離れなくなる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

141
敢えて辛口の感想で。ボツワナの女性大臣であるがゆえにこそ訴えるべきだと思う事柄を、淡々とフィクションとして述べて欲しかったと思う。儀礼殺人の非人道的残酷さ、女性が被る被害や甘んじている差別、治安・法的機関の機能不全等は、ここらからもよく分かるが、若く聡明な女性達が男たちに対峙するその様子が、智をひけらかすように感じて仕方なかったのが残念だ。教育を受ける機会がなかった兄弟姉妹や他の同級生とは明らかに違うという自らのスタンスへの自負がそこかしこに見られる気がする。色んな意味で問題は根深い。2019/12/04

ふう

99
感想を書くのもつらい作品です。あまりの悍ましさに気が滅入り、それでもいくらか希望が見えてきたと思ったら最後にまた絶望感に襲われ、社会にはどれだけの闇が潜んでいるのだろうと怖くなります。「三つ編み」で女性が男性の所有物として扱われる話に、今回は少女が男たちの生贄にされる話に打ちのめされ、世界にはこんな扱いを受ける女性たちがたくさんいるのだと改めて思い知らされました。文化や伝統、宗教という名のもとにどれだけの人の命や暮らしがゆがめられていることか…。権力や富をもつ者が、保身のために使っているとしか思えません。2020/11/28

fwhd8325

80
実話をベースにしていますが、フィクションで描くことによって、救われたと思います。全くのノンフィクションであれば、この事実を正視できなかったかもしれません。ある程度距離をとることができたので、最後まで読むことができました。それでも、ラスト数ページは、かなりきつかった。日本でも集落単位で行っている風習があるけれど、やはり、この事実は、厳しい。2020/02/07

papako

79
ずっと気になっていて。最初は読みづらいが、主人公アマントルが登場した辺りから、楽しく読めました。『儀礼殺人』呪術医が現役のボツワナで、男たちが力を欲する時に少女を材料に薬を作る。90年代!5年を経て儀礼殺人の証拠である衣服が発見され、警察の隠蔽が明らかになる。被害者の村の人たちは証拠から犯人を探す要求をするが。。。公開会議?コートゥラを行い、公正に証拠品を渡して捜査を託す。なのに!まさかの真実が!唖然となりました。本当に悲しいラスト。まさに隠された悲鳴でした。これがほぼ真実。読んでよかったです。2020/12/29

HANA

77
儀礼殺人。ある儀式にのっとって、人体の一部を得るために行われる殺人。不穏な言葉から始まるこの本は不穏なまま幕を開け、不快に進展する。サスペンスであるが、正直小説としては色々不満点もある。それでも本書から目が離せないのはボツワナという馴染みのない国が孕む様々な問題点を浮き彫りにして、我々の眼前にこれでもかと突き付けてくる所か。正直儀礼殺人こそ起きないものの、いくつかの問題は我が国と通底するし。そして最後に至ってタイトルの意味に気付かされると、誰しも慄然とすること請け合い。色々な意味で思い一冊であった。2021/10/25

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