内容説明
昭和を代表する政治家、田中角栄。庶民派として、いまも根強い人気を誇る宰相は、この国をどこへ導こうとしていたのか。首相秘書官として間近に仕えた人物の証言をもとにした日経産業新聞の好評連載「田中角栄のふろしき」を大幅加筆のうえ、書籍化。
人たらし、人間ブルドーザー、闇将軍など、その人となりを描いた作品は数多あるが、政治家・政策家としての角栄の本質を描いた作品は極めて少ない。
本書は、エネルギー立国により日本を真の意味で独立させようとした角栄の真意、外交の真髄を多くのエピソードから描出する。この国の行方を真剣に考えた政治家の知られざる素顔を浮き彫りにする。骨太の人物ノンフィクションである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まーくん
66
昭和の大物政治家田中角栄。金権政治家の評価は消し去ることは出来ないが、その図抜けた政策立案・実行力、決断力は破壊的。雪国越後の片田舎に育ち、小卒の学歴で総理にまで上り詰めた力の源泉は、その逆境を跳ね返すべく努力に。その出自から、政治に必要な資金も自ら調達せざるを得なかったことは金権の罠に落ちる遠因ともなったに違いない。電光石火、日中国交正常化を果たし内政に目を向けたとき不運にも石油危機に直面。金権問題を追及され無念の辞任。その能力を発揮しきれない不完全燃焼が”闇将軍”、ロッキード事件被告となって尾を引く。2019/09/20
♡ぷらだ♡お休み中😌🌃💤
44
読みともさんのレビューをみて気になった1冊。日本の戦後史の初の大衆政治家として登場した角栄さん。日中国交正常化や資源外交を中心に、数々のエピソードを交えながら国際政治家としての軌跡をたどる。角栄さんといえば、『日本列島改造論』を著したように、内政の人のイメージが強かったが、この著書で国際政治家というグローバルな側面も捉えることができた。「一日宴席3つ、午前2時起床」「物事はなる時にはなる。ならない時にはならない」「会議よりも葬式だ」などは、角栄さんの人となりがよくわかる言葉。2019/10/23
くものすけ
9
当時の日米繊維交渉や中近東依存の原油問題をフランス、イギリスとの交渉で打開策を必死に探そうとしていたこと等は嘗て余り表沙汰されてこなかったのではないか...最後はロッキード事件で叩かれ続けてしまい残念な気がする。人間として学ぶべき多様な面を多く持っていたこと事に改めて感服した。機会あれば新潟西山町の『田中角栄記念館』を訪問したい。2019/11/28
Yutaka Hada
6
日経の記者さんからのお勧め本としていただいた一冊。あまり自分では手に取らないタイプの本なので、推薦は大歓迎なんです。本書は通産大臣、総理大臣時代に秘書官として田中角栄に仕えた小長氏の証言をもとに、主に当時の外交交渉について、その記録されたもの。角栄と言えば、ロッキード事件の事しか知らなかったのですが、日本の将来を危惧して、身を削って働く姿は、リーダーのありたい姿だと感じました。政治家と官僚が、臆せず国益を語り合い互いが協力し事に当たる。政権への忖度が目につく今の政治との差に寂しくなる、熱い時代の記録です。2020/05/13
Y.T.
6
田中角栄の現役時代を知らない身としては、政治家としての巧拙は諸説あるとしても、魅力的な人間であった点については異論は少ないのではないか。仮にこんな上司の下で働く機会があれば一生懸命努力するのだろうなと読みながら感じた。2019/09/16
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