内容説明
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ある人は言った。
この世に本は2種類しかない、
読むに足らない本か、読んでもロクなことにならない本。
宗教改革の立役者として知られるルターは
聖書を唯一無二のよりどころにして、読み込んだ。
丁寧に、丁寧に、読み込みすぎたゆえに、
その読書は人生を、世界を変えてしまうほどの危険性を孕んだ。
ある学者は言った。
本には持つだけで力を宿すような、
ある種の“マジカル”がないと駄目だ。
例えばバチカンが聖書の写本1冊持っているだけで世界を征服したように。
ある詩人は言った。
たとえそれがどんな本であれ、本は危険になり得る。
なぜなら人は自分の中の“怪物”に出会うために読書するのだから。
悪徳の書ですら、毒にもならないときがある。
読書が危険になり得るかどうかは内容の過激さにはない。
その本をどう読むのか。
ただ共感を得ることを目的とせず、
当たり前と思っていた価値観を崩壊させる、
激しい心を揺さぶる読書。
たった1冊であっても、
本は世界を変容させる力を秘めている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小梅
97
あ〜この本、積んでたな。あの本も積んでるな。筒井康隆を久しぶりに読みたくなりました。全裸監督のガイドブックが付録でした。2019/10/24
らぱん
57
とても面白い。久しぶりに雑誌を買った。合本とは2017~19年の同タイトル「危険な読書」シリーズ三冊をまとめたものの意味で、既読者には不要だろうが、初読者にはお得な一冊だと言える。どれだけの数の本が紹介されているのか数える気にもならないほどたくさんある。本の紹介者は文筆家や出版関係者に留まらず、評論家、政治家、芸能関係者、音楽家など面白い顔ぶれだ。本の紹介だけのものもあるが、インタビュー、対談、鼎談などの形式もあり、それを読むだけでも楽しく、紹介されている本が面白そうで興味も湧き、読みたい本が増えた。2019/08/31
いちろく
36
表紙の下部に“「危険な読書」シリーズ3冊分の総まとめ”とあります。表紙を捲ると右下に、過去3冊分の改訂と再編集の内容と説明があります。2ヵ所も記載があるのです。それに気が付かず、何も考えずに本屋で手に取り購入したのは、私。注意書き通り、過去の刊行分を読んでいる人には新規の内容は少ない。それでも、内容は変わらず面白いので後悔はない。ホントですよ。2019/08/21
akira
31
久しぶりの雑誌投稿。 これはよかった。こういう興味の幅を広げ新たな世界をみせてくれる一冊は貴重。思えばこれにちかいものばかり古本屋で探してる気がする。基本的にはダークなものやタブーなものをはじめ、マニアックな世界が広がる。またどこかで出会う本もあるのかも? 思い返せば読書をはじめたころは「役に立つ」ことや「勉強になる」ことばっかり気にしてたなぁ。でもほんとにおもしろいのは「役に立たない」こと。くだらないことを楽しもう。 「荒唐無稽を味わう」2020/06/12
おおた
27
合本になったから読んでみたらすげーよかった。言うてもSFからラテンアメリカ文学をこなしてシモーヌ・ヴェイユとか危険分子と看做されてもおかしくない読書をしてきたつもりだけど、いーっぱい抜けがある。筒井康隆はろくに読んでないし(!)クトゥルフ神話や江戸文芸、国語辞典の対談まで自分の視野の狭さを思い知らされる。海外文学だけ読んでいればいい時代は終わった! みんなの危険な読書を聞いて回りたくなる。今のわたしが作家で選ぶなら橋本治・小野不由美・塚本邦雄かな。『ミセス・キャリバン』が選ばれているんだ、信用していいぜ2019/08/29