内容説明
誤りの戦死公報を受けて再婚していた妻を、復員後20余年たって殺すにいたった男の「戦後」。女子挺身隊員の記憶を胸に、10年以上も結核の療養生活を送っている女の「青春」……戦争の暗影をひきずりながら、現実から脱落して陰のように過去に生きるしかない二つの人生。斬新な手法を駆使して、「戦後」の意味を問う問題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Yu。
23
戦争が残した爪跡に囚われ続ける事となる二人の主人公の心情や人となりをいくつかの角度から迫っていく暗黒群像劇。。。その病んだ内容に覆ってくるやっかいな不透明さがね… う〜ん、捉え方なのか… ともかく読み手の受け取り方次第で何色にも感じ取れるという一筋縄ではいかない一冊。2015/12/21
クッシー
0
戦争に翻弄された人々。井上作品でお馴染みの噂話のオンパレード。事実はどこ?おそらく当人しか知り得ない感情。人々は勝手に憶測し、やがてそれは事実となっていく。村社会の閉塞性。何もわからないまま破滅的な事件が起き、それも結局は噂話に収斂していくのだろう…。正直訳わからないがそうした虚構の雲の上を僕も歩いているのかもしれない。2024/04/03
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