江戸文化から見る 男娼と男色の歴史

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江戸文化から見る 男娼と男色の歴史

  • 著者名:安藤優一郎
  • 価格 ¥1,683(本体¥1,530)
  • カンゼン(2019/08発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784862555281

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内容説明

江戸時代、男も女も虜にした
美少年との性の世界

かつての日本で「男色」は特別なことではなく日常だった。
江戸の町には「陰間茶屋」と呼ばれる店があった。
「陰間」とは、金品と引き換えに身体を売る男娼のことである。
性に開放的だった江戸時代、陰間茶屋も陰間も隠すような存在ではなかった。
なぜ陰間は公然と存在しえたのか、陰間茶屋とはどのような店だったのか、
陰間のマナーと性技とは──などなど。
当時の「男同士の恋愛」についても触れていく。
陰間という文化を知ることで、さらに江戸文化を堪能できる一冊。
カバー装画はコミック『百と卍』(「このBLがやばい!2018年版第1位」「文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞」)の紗久楽さわによる描きおろしイラスト。


【目次】
もうひとつの江戸文化「男娼」と「男色」――まえがき
【カラー】江戸の人々が熱狂した若衆
【カラー】陰間を買った老若男女

第一章 男色のルーツを探る――江戸時代の男娼誕生秘話
・江戸の男色は両性愛者が多かった
・江戸時代は男色と女色が両立していた
・なぜ男色のことを“衆道”というのか?
・男同士の性行為を許容していた江戸時代
・江戸幕府の開幕から男娼は存在した
・男娼の原点は神事・仏事にあった

第二章 歌舞伎と男娼の関係──男娼文化は歌舞伎とともにあった
・若衆歌舞伎の熱狂と衰退
・江戸の男を欲情させた前髪の魅力
・禁止されても滅びなかった歌舞伎と男色
・男娼の呼び方は歌舞伎に準じた
・歌舞伎若衆の売春事情
・歌舞伎の花形は女装姿の女形だった

第三章 江戸の人々は男娼とどう遊んだか──「陰間」と「陰間茶屋」の全貌
・男娼と遊べる陰間茶屋
・陰間と遊ぶ方法
・陰間と遊ぶ時間は決められていた
・陰間茶屋以外でも陰間で遊べた
・陰間の年齢は20歳が上限ってホント?
・関西地方の陰間が珍重された
・陰間茶屋以外にも陰間はいた
・陰間にはマネージャーがいた?
・誰が陰間を買ったのか?
【カラー】陰間の性技と陰間のマナー

第四章 江戸の男娼の性技と作法──心構えから性技・性具まで
・陰間にとって髭は恥毛
・陰間はどんな服装をしていたか
・陰間になるための身体的な準備
・陰間に学ぶ床入りのマナー
・陰間の必需品「通和散」とは?
・客を満足させた陰間の性技
・客が好んだ陰間のお尻の形
・嫌な客にも我慢する陰間
・床入りまでの座持ちの苦労
・まだまだある陰間の苦労
・江戸の陰間の自慰事情
・陰間の値段
・陰間遊びをさらに官能的にした性具
・陰間のその後

第五章 陰間茶屋はどこにあったか──各地の陰間茶屋と陰間茶屋の衰退
・陰間茶屋はどこにあったか? ・陰間茶屋は江戸だけにあったわけではない
・三都以外の陰間茶屋
・陰間茶屋にもランクがあった
・衰退する陰間茶屋

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みや

40
江戸時代の陰間茶屋の実態に迫る歴史教養本。裏から覗き見る江戸文化と思いきや、当時の江戸において陰間は表の世界であり、隠す必要すらない。両性愛者が一般的で、客は老若男女いたらしい。その歴史は常に歌舞伎と共にある。行為前の下準備や性技の詳細な解説、直接的な春画が多数掲載されるなど過激な部分もあるが、至って真面目で色気は無い。興味深い内容ばかりだった。LGBTが当たり前の価値観が異端視されるようになったのは男色を禁じるキリスト教文化が入る明治以降から。宗教なんかに囚われず、自由奔放に楽しむ江戸文化が私は好きだ。2020/04/13

パトラッシュ

22
江戸時代は男色が容認されていたと知っていたが、これほど社会に浸透していたとは。美しければ男女関係なく愛するのが江戸っ子の粋だったのか。戦国期の念者や若衆歌舞伎から発展し太平の世で広まったプロセスから性技や作法の詳細まで、よくこれほど調べたものと感心するしかない。十代前半の少年を仕込む話など性的虐待そのものだが、法も規制もない何でもありの世界では人はどこまでも暴走するのかと思えてしまう。三島由紀夫やLGBTの人なら当時は天国だと思うかも。にしても生々しいほど露骨な描写の図版満載なので人前では読めない本だな。2020/01/29

青龍

17
購入してすぐに半分くらい読んだけど、久しく積んだもの。おぼろげにしか知らなかった男娼の様子を詳しく知ることができた。女性を加えての3Pなど、BL界もビックリのことが(どの程度レアかは不明だけど)行われていたとは、江戸人のバイセクシャルを知った。2020/01/13

4fdo4

16
「日本の伝統文化は~」と口にする人は多いがこの本に書かれていることに触れる人は少ないだろう。もちろん明治維新の前後で文化がガラッと変わったが。こういった文化に嫌悪を覚える方もいるだろうが、150年前に実在した文化である2022/04/01

ジャズクラ本

15
◎江戸時代の男娼に焦点をあてた本だが衝撃的。江戸時代前から衆道として僧侶や武家に一般的だったことは知っていたが遊郭と同列に語られるほど浸透したものだったとは思わなかった。現在「売り専」と呼ばれ同性愛趣向者向けの男娼がいるが、これと全く同じで、更に現在より市民権を得ていたようだ。時に男性だけでなく女性に買われるのも売り専に同じ。市井では少年相手の強姦事件も少なからずあったようで、現代の感覚ではちと想像し難い。備忘録としてコメント欄にその習俗等を記載するが、書くのも恥ずかしいほどのもの。適当に読み流されたし。2020/10/11

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