内容説明
――始まりが何であったのか、もはや知る者はいない。
いずれにせよ《死》が大陸中へと溢れ出したのは、そう遠くないある日のことだった。
時の王が御触れを出した。『《死》の源を突き止め、これを封じよ』。
大陸中の勇士たちが立ち上がり、そしてその尽くが《死》に飲み込まれて屍を晒した。
その中で、ある一党の言葉だけが残る。
『北の最果てに、《死》の口がある』。
誰がそれを見出したのか、もはや知る者はいない。その冒険者も《死》の前に消えた。
《死の迷宮(ダンジョン・オブ・ザ・デッド)》。
曰く――迷宮からは無尽蔵に怪物がわき出す。
曰く――迷宮には怪物どもと共に無限とも思える富が眠っている。
曰く――迷宮の最奥には魔神の王が存在している。
死神の顎そのものである奈落の淵へ人々は集い、いつしか城塞都市が生まれた。
冒険者たちは城塞都市で仲間を募り、迷宮へ挑み、戦い、財貨を得、時として死ぬ。
君は冒険者だ。
悪名高き《死の迷宮》の噂を聞きつけ、その最深部へ挑むべく、この城塞都市を訪れた。
大人気ダークファンタジー「ゴブリンスレイヤー」の外伝第2弾!
これは、蝸牛くもの描く、灰と青春の物語。
※電子版は紙書籍版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しまふくろう
31
表紙が格好良くて購入。挿絵も格好良いのと可愛いのとだった。特に女戦士と従姉妹と女神官が可愛らしくて大変宜しい。そして迷宮のイラストがワイヤーフレームで吹き出した。これは確かに「古い時代」だなあ。 物語はゴブリンスレイヤーより前の時代に死の迷宮に挑んだ人達の話。剣の乙女さんの気弱な新人時代が新鮮で面白い。このパーティーは迷宮を踏破出来るのか、続きが楽しみ。2019/08/18
のれん
17
TRPGリプレイを意識した二人称作り。とはいっても主人公は台詞はなくとも、それなりの心情は出しているので、ドラクエや元ネタのウィザードリィみたいな古き良きRPGに近いだろう。 てかホント初代ソドワっぽいダンジョンでルビもそれに倣っている。冒険心と矜持を失えばただのNPC。夢を追うあなただけがプレイヤーなのだ。 実は本編未読なのだが、キャラが良いので気にしないで読めた。文章もGM説明のように簡素かつ明確。その上で焦燥感や達成感を感じさせるのは凄い。 満足できるキャンペーンでした。本編も読みたい。2022/05/13
サケ太
17
ゴブリンスレイヤー世界の過去の冒険が描かれた本作。シビアな世界はとても良い。ウィザードリーの話を直したものだが、このゲーム的な語りは好き。剣の乙女はこっから持ってきたのかと少し驚いた。彼らは如何にして英雄に成るのか。下巻が非常に気になる。2019/08/27
TAMA
16
一番最初の感想、「読みにくい」。主人公<君>その時点でもう諦めようかと思ったけれど目を隠していない剣の乙女に手をひかれ、和風の鎧のイラストにつられようやく半分。スライムやゴブリンに普通にキャアな女の子とか「うるさいハトコめ」に癒されつつ読み終わり。下も読もうと思うけれどやっぱり次は中なんでしょうか?気になる。後書きの中の<君>の理由になるほどって思いました。RPGの自分、ネバーエンディングストーリーの中の本の中にあらわれる自分。もう一回読もう。youだから。 2019/11/11
dorimusi
14
外伝2らしい。1がイヤーワンかな? 主人公=君って語りてだれやねん‥となかなかに読みにくいからか前半危うく断念しかけた。まぁ後半に向けて面白くなってきたけど。 それにしても死亡率高いなぁ。そりゃ1回で金だけ稼いで飲んで暮らす人がでるよねと。 初心者狩りの人たちの食糧が……嫌すぎるでしょ。外で食べようよ。2023/06/11