講談社学術文庫<br> 中世ヨーロッパの結婚と家族

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講談社学術文庫
中世ヨーロッパの結婚と家族

  • ISBN:9784065136003

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内容説明

学術文庫ですでに、『中世ヨーロッパの城の生活』、『中世ヨーロッパの都市の生活』、『中世ヨーロッパの農村の生活』、『大聖堂・製鉄・水車』、『中世ヨーロッパの家族』、『中世ヨーロッパの騎士』が好評を博している、ギースの「中世ヨーロッパシリーズ」の7冊目。本作では、人間の社会を構成する最も基本的な単位、「家族」と、その核心をなす「結婚」から、中世の社会史を掘り下げる。初訳。古今のあらゆる社会において、「家族」は、人が食べ、学び、経済生活を送る普遍的な場であったが、同時に、常に変化し続けるものでもあった。今日の家族は、ヨーロッパ中世が生み出した歴史の産物なのである。古代には、貴族の一夫多妻は当然であり、ローマ時代の「ファミリア」は、血族だけでなく奴隷や召使いをも含んでいた。中世の1000年間に、「解消不能な一夫一婦制」という原則はどのように定着し、「夫婦と子どもたちが一つの家に住む」という家族観はなぜ生まれたのか。14世紀の大災厄、黒死病以降に、家族のあり方や、子どもへの接し方はどう変わったのか。貴族や中流階級、農民や職人など、様々な人々の「結婚」と「家族」の進化の道筋を丹念に描く。[原著:Frances and Joseph Gies, Marriage and the Family in the Middle Ages,1987 ]目次/第一部 起源 第一章 歴史家、家族を発見 第二章 原点――ローマ人、ゲルマン人、キリスト教/第二部 中世前期 第三章 ヨーロッパの家族――五〇〇―七〇〇年 第四章 カロリング朝時代 第五章 アングロ・サクソン時代のイングランド/第三部 中世盛期 第六章 十一世紀の家族革命 第七章 十二世紀――新しいモデル 第八章 黒死病以前の農民たち――一二〇〇―一三四七年 第九章 貴族の系譜――長子相続がもたらす危機 第一〇章 中世の子どもたち/第四部 中世後期 第一一章 黒死病の影響 第一二章 中世後期の農民の家族――一三五〇―一五〇〇年 第一三章 イングランドの土地持ち紳士階級の家族 第一四章 十五世紀のフィレンツェ――商人の家族/第五部 中世末期 中世の終わり 第一五章 遺産/訳者あとがき

目次

第一部 起源
第一章 歴史家、家族を発見
第二章 原点――ローマ人、ゲルマン人、キリスト教
第二部 中世前期
第三章 ヨーロッパの家族――五〇〇―七〇〇年
第四章 カロリング朝時代
第五章 アングロ・サクソン時代のイングランド
第三部 中世盛期
第六章 十一世紀の家族革命
第七章 十二世紀――新しいモデル
第八章 黒死病以前の農民たち――一二〇〇―一三四七年
第九章 貴族の系譜――長子相続がもたらす危機
第一〇章 中世の子どもたち
第四部 中世後期
第一一章 黒死病の影響
第一二章 中世後期の農民の家族――一三五〇―一五〇〇年
第一三章 イングランドの土地持ち紳士階級の家族
第一四章 十五世紀のフィレンツェ――商人の家族
第五部 中世末期 中世の終わり
第一五章 遺産
訳者あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

masoho

3
タイトル通り、読み応えのある「中世ヨーロッパの結婚と家族」だった。経済活動としての結婚、同盟としての結婚、そして恋愛結婚。制御しようとするキリスト教。離婚したい王族たち。世界のシステムは刻一刻と変わっていくけれど、やってることは変わらない気がする。結婚が個人に落ち着いてしまった現代日本では少子かも進むよね、と思わなくもないし、人が単に増えるだけであれば婚外子でも構わないと思うが家族が経済活動の最小単位と見なされるのであれば、どうしても形は必要でしかないのか。2023/03/29

O次郎

1
中世における家族と結婚の移り変わりを描く。経済活動や社会活動の単位としての家族というのは変わらないが、中世を通じて有する機能が段々と社会的集団に移り、家族が個人化していく過程は興味深い。同様のことは日本の家族でも観察されるのだろうか。とはいえ子を思う親の気持ちや夫婦間の愛情は現代と変わらない部分も大きい。中世イタリア最大の富豪であるコジモ・デ・メディチが外国使節団との会議中に幼い孫に頼まれたおもちゃの笛を手作りしていたエピソードは現代と同じ「孫に甘いお爺ちゃん」そのもので面白かった2025/11/03

瀬川

1
時間がかかったが読了。中世(正確には古代ローマより)で結婚がどのような変遷をたどってきたのかをまとめた本。キリスト以前、以後の変化や経済の発展に伴う家族の日常の変化が追う事が出来て勉強になる一冊。通じて女性に貞淑を求めまくり、男性には妻をホイホイ捨てるなと忠告しまくる教会。近親相姦を厳禁としたら「実は俺、妻と近親やった!」と離婚の言い訳に使う王族たち(男)の出現には膝を叩いてしまった。とりあえずいつの時代も性欲は物語を生み出している。2020/03/19

kimuco

1
結婚とはすなわち経済活動、という話。2019/11/15

やっこ

0
古代ローマの家族観からキリスト教的規範の浸透、一夫一婦制の確立過程を緻密に検証し、封建期の長子相続や黒死病後の家族再編といった転換点を豊富な事例で補強 貴族・都市中産階級・農民・商人各層の事例比較により、家族が単なる血縁集団にとどまらず、経済的実体・教育機関・社会保障の役割を担った社会的ユニットとして機能したことが明らかに2025/06/27

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