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内容説明
「清張昭和史」の決定版! 軍人、政治家、官僚、財閥……
昭和の権力闘争の裏側を松本清張が語り尽くす。
松本清張が週刊文春に連載した「昭和史発掘」の記事のなかから、単行本・文庫に収録されなかった、明治から昭和初期の権力闘争のこぼれ話ともいえる幻の二篇を収録。
一編は、「穏田のラスプーチン」と呼ばれ、明治から大正にわたり宮中と政界を股にかけて暗躍した宗教家・飯野吉三郎が主人公の「政治の妖雲・恩田の行者」。 もう一編が、桂太郎の愛妾であった美人芸者お鯉(安藤てる)が、小山松吉法相の収賄を告発し、逆に偽証罪で有罪になるという「『お鯉』事件」。
明治から昭和初期にかけての政界の権力闘争にまつわるサイドストーリーともいうべきこの二編は、清張が追い続けた昭和史の暗黒のさきがけといえる事件だ。
さらに、城山三郎、五味川純平、鶴見俊輔と、戦前・戦中・戦後の権力の裏側をついて歯に衣着せず語り合った対談を収めた特別篇。
※本書は、2009年1月刊の文春新書『対談 昭和史発掘』を改題、再編集したものです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ベイス
90
読み進めている本編『昭和史発掘』に、『特別篇』があることをこの読メで知って手に取る。一話一話、まさに「発掘」された驚きの事実があって読み終わるのに名残惜しさを感じていただけに、未読の二篇をありがたく、嘗めるように読んだ。いずれも自ら足を運んで取材した題材ではないことから本編から除外したのだという。それでも、昭和史の裏側を探偵するような楽しみは相変わらず。「飯野吉三郎」も「お鯉」も、2・26事件という清張最大の考察テーマへと連なる一断面ともいえる怪事件に読めた。これらを踏まえいよいよ本編最終巻へと向かおう。2024/03/10
佐島楓
73
「歴史の影に女あり」と言いたくなる題材ふたつと、城山三郎、五味川純平、鶴見俊輔各氏との対談。前者は人間のお粗末さ加減を端的に表した事件、後者は読むだけで戦前戦中を生きた人々がその時代をどうとらえていたか概観できる。鶴見氏が占領軍に好意的な発言をしていたのが女性からしてみるといただけないと思ったが、戦中の軍部のやり方を思えばどっこいどっこいなのかとも感じる。2020/01/06
かふ
20
昭和史発掘の掲載されなかった二つは文春砲というような政治スキャンダル。一つは日本のラスプーチンと言われた宗教家飯野吉三郎の暗躍。もう一人は芸者からお筆先の占い師の女性で彼女も桂太郎首相の愛人になり助言していたとか。この国の暗部は宗教絡みが多いようだ。対談は城山三郎は恐慌が軍国主義に繋がったこと、五川味純は満州進出の重要性で『昭和史発掘』の解説的な対談なのだが、鶴見俊輔との対談は戦後の振り返りで戦後の『昭和史発掘』で面白かった。2024/03/02
CTC
7
本年8月の文春学藝ライブラリー新刊。『昭和史発掘』は20話からなり、7年近く『週刊文春』に連載されたが、単行本には2本が収録されなかったという。「作家はあの二本ははずすと簡単にいった」と現清張記念館館長であり、当時の編集担当が経緯を記している。気軽で手法が他の18話と違うからすぐ納得したという。本書はこの、とっても魅力的な2本と、城山三郎・五味川純平・鶴見俊輔の三氏との対談を収録しているのだが…どうも何処かで読んだような…09年刊の文春新書『対談 昭和史発掘』の改題・再編集、だそうです。ご注意下さい。2019/11/16
rinrinkimkim
3
後半にマツキヨの対談ものが3本。226事件についてが面白かった。マッカーサは国体維持で経済的時間的にお得に日本を統治した。とか、農地解放に力を入れて共産化を防いだのに、東大解体をせず官僚育成を野放しにしていたのは片手落ちじゃないか?とか。マツキヨの昭和史というと帝銀事件と黒い霧しか読んでなかったのと、対談であるところが新鮮でした。マツキヨ!奥が深いわ~崖系の引き出し以外も読み続けたいです2022/08/16
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