ナチス 破壊の経済 上――1923-1945

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ナチス 破壊の経済 上――1923-1945

  • ISBN:9784622088127

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内容説明

ナチスの経済政策が、いかに付け焼き刃に過ぎなかったかを圧倒的データで描ききった決定版、ついに邦訳。「大傑作」(ファーガソン)。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

15
経済運営に関してはナチスはうまいことやったんじゃないの日帝より経済面ではずいぶんとマシだよねという思い込みを完全に覆してくれる本。フォルクスワーゲンが飴として庶民も持てたと信じてたんだけど、解約不可死んだら没収な強制ローン組まされて、第三帝国時代には結局34万人の契約者には一台も届かなかったとか、アウトバーンは雇用創出にも失業軽減にも貢献しなかったというのには正直驚いた。成功とされるものは成功ではなく、奇跡とされるものは以前の政策が少し遅れて奏功しただけ。「第三帝国ネタはいろいろ盛りすぎです」2021/07/07

MUNEKAZ

15
ときに「成功した」と言われることも多いナチスの経済政策を実証的に検証した大作。アウトバーン建設などによる雇用の創出や景気の拡大は限定的とし、あくまで「再軍備」に向け経済統制と収奪によりヒト・モノ・カネを集中したとする。そのため軍需産業から外れた分野、例えば繊維産業などが犠牲になったというのは興味深い。またこれに協力した(そして裏切られた)ヒャルマル・シャハトら銀行家や実業家・企業家たちの存在も印象的。1918年のトラウマが、彼らをナチスに協力させたのだろうか。2019/08/18

ジュン

11
ナチは工業や農業などの経済、領土の維持と国民の保護、あらゆる福祉システム、はては戦争を遂行するための「ドイツ人」の確保にすら失敗した。明らかな崩壊国家だったことがわかる。ナチを研究しても、良かったところなど何も発見できない。2021/09/30

ジュン

9
ナチスについては政治史や軍事史は多く読んできましたが、経済史は未読でした。上巻では経済復興やアウトバーン神話などを資料から徹底的に批判し、その場当たり的な性格を明らかにしています。結果的に12年しかもたなかった第3帝国を経済から読み解きます。2021/06/17

ゲオルギオ・ハーン

6
読む前はナチスドイツはそれなりの工業力、経済力があったから第二次大戦で派手に戦えたのだと思っていた。ところが、実際は国民の生活を犠牲にして、軍事に特化して経済成長さえも犠牲にした国家管理経済でひたすら軍備を整えて、勝ち目の薄い博打的な戦争へと進んでいたというのにただ驚き、呆れてしまった。貿易赤字で外貨がとても少なく、原材料がろくに買えなくなり、ソ連との同盟がなければ戦争前に経済と軍備計画が破綻していたというのを読むと独ソ戦は開戦前にほとんど勝負が決まっていたようにも見える。綱渡り国家というべきか。2020/02/22

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