内容説明
人気作家・逢空万太が新レーベルLINE文庫エッジに登場!
女の子だらけの学院に、男の子が一人!?
誰よりも速く飛べる魔女になるために、少年は今日も宙(そら)を駆ける!
「ぼくは、ウィッチクラフトが好きです」
ブルームという箒状の道具に跨って飛行する競技、通称“ウイッチクラフト”は、世界的に有名な競技である。競技者は“魔女”と呼ばれ、そのほぼすべてが女性。しかし主人公、ティノ・アレッタは男子にも関わらず、子供の頃に見た魔女に憧れ、魔女を養成する女生徒ばかりの学院、“アウティスタ飛箒学院”に入学を果たす。そこでティノと親しくなる少女たちもいれば、上手く飛ぶことが出来ないティノに、出て行って欲しいと願う少女たちもいて……。
「ティノくん、君が強く望めば、きっとブルームは応えてくれるはずだよ」
退学をかけた定期選抜試験。同じ部屋で暮らすことになった少女ウルスラや、クラスメイトたちの応援を背中に受けながら、ティノは《氷の女王(リリティア)》とも呼ばれる天才少女、グリゼルダとのレースに臨む!
人気作家、逢空万太が描く、宙(そら)を駆ける少年少女たちの物語、ここに開幕!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しまふくろう
18
表紙が可愛くて購入。挿絵も可愛らしかった。 物語はウィッチクラフトと呼ばれる飛箒競技の競技者を目指し飛箒学園に入学した少年の話。ウィッチの名の通り女性専門の競技で主人公だけが男なので、男女比がえらい事になるだけでなく色々困った事態もあるのが面白かった。 設定が一昔前のMF文庫っぽいんだけれど、展開は二昔前のスポーツ物の王道みたいで、最後はライバルと和解するという三昔前の対決ものみたいな結末だった。古臭さにもきちんと落ちを付けているのが凄い。 一冊できちんと話が完結しているのも良かった。2019/08/05
真白優樹
8
箒状の道具に跨り宙を駆ける競技の選手に憧れた少年が、選手を育成する学園で宙を駆ける物語。―――負けたくない、君と飛びたい宙がある、だからこそ舞い上がる。 ボケとツッコミの応酬が如き会話劇。そして不器用だけど唯一無二の飛び方で空を駆ける少年の雄姿。正に逢空先生の新境地と言っても過言ではない物語であり、おふざけも茶番も抜きの信念をぶつけ合う真剣勝負がどこまでも熱く、スケールの大きな面白さが心を駆け抜ける、真っ直ぐに面白い物語である。自分だけの飛び方を掴んだ少年はどんな空を掴むのか。 次巻も勿論楽しみである。2019/08/03
リク@ぼっち党員
6
一途な気持ちが空を駆ける原動力。箒に乗って空を飛び、最速を競うレースもの。それでいて主人公のキャラ的に学生らしい爽やかさがあった。友情・努力、勝利は微妙だけど覚醒もあって少年マンガっぽい展開。起承転結もしっかりしていて、非常に読みやすい一冊。キャラではツンデレご主人様がいい人すぎた。本人の見えないところで庇ってるところとても良い。ウルスラはとてつもない闇を感じるが、何者? 伏線も多く、これからどんなレースを繰り広げるのか。2019/08/10
八岐
4
★★★★ 久々の逢空作品。ギャグやコメディでないが故に掛け合いも勢い任せノリ任せではないのですが、会話のリズムそのものは絶好調でむしろ味わいが出てるくらいで実に楽しい。マルタはほんといい子で、それ以上にウルスラの得体の知れなさがゾワゾワするような魅力になっている。何より箒レースがスポーツモノらしい熱量を持った盛り上がりになっていてテンションあがります。ただティノ君、悩むのは良いとしてそれが如実に集中力の欠如になってしまうのは物語の溜めとしてもどうかと思ったけど。2019/10/25
jr5477
4
直球勝負のスポーツものは良いですね。登場人物はそれぞれ漫画チックなキャラ付けをされてはいますが、中身は至極真っ当で読みやすく、熱量も十分にあり面白かったです。とりあえず、気になるウルスラの背景を書ききるまでは続けてもらいたいところ。2019/08/13