内容説明
路地裏の狭い通りやガード下に赤提灯や電飾看板が並ぶ横丁酒場。そこには美食や清廉さから遠く離れた人間くさい空気が満ちていた。戦後の闇市を起源とするこれらの横丁も、平成に入ると再開発事業の対象となり、次々と撤去・解体されていった……。昭和と平成の激動の時代を背景に全国各地から消えていった、あるいは消えつつある横丁の生と死、そして再生を見つめた渾身の記録。文庫書き下ろし。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホークス
43
2019年刊。昭和20〜30年代の闇市や露店、青線の流れを汲む鄙びた酒場街を、著者は「横丁」と呼ぶ。私はそんな場所に遭遇すると、冷たい手で撫でられたような、懐かしいような気持ちになる。幼少期の家がそんな場所にあったからだろう。著者のように酒場や色街への愛着は無いが、裏ぶれた悪所的な景観は、建前頼みで傲慢になった頭を冷やしてくれる。外見や場は違っても、人の業を背負った横丁的存在は他にもあるし、今後もあり続ける。本書は消えた、又は消えそうな横丁を淡々と紹介する。この淡々ぶりが、私のような読み手にはありがたい。2021/02/06
らっそ
11
横丁と聞くと哀愁を感じるし、再開発されると味気なくなるのは同感だけど、ちょっと近寄りがたい。あべの銀座とか千日前の方は普通に怖かった。神田とか環状線の福島駅のガード下みたいに、ある程度の清潔感と明るさがないと好事家以外は近づけないように思う2019/09/14
Nさん
6
2019年刊行。雑学ライターが、全国の横丁酒場を写真付きで紹介する一冊。表題の「消えゆく」は、一部の横丁というよりも、横丁の文化そのものを修飾しているのかもしれない。終始紹介される廃れっぷりが哀愁を漂わす。戦後のドサクサに始めた横丁酒場は、裏路地・ガード下などに集約され、徐々に現代の地上げによって消えてゆくというパターンが多し。個人的に、関東は不案内なので、いまいち感情移入できず。唯一、大阪にある横丁は知るところもあったが・・。著者の解説内容が表層的過ぎるし、下手なモノクロ写真もなんだかなぁ・・。2020/02/19
新田新一
5
庶民的な酒場や食堂が立ち並ぶ日本各地の横丁を紹介する本です。懐かしい雰囲気のモノクロの写真が多く収録されており、眺めていると昭和にタイムスリップした心地になりました。都市計画などによって潰された横丁が主に外国人の間で人気が出て、復活してきたという記述が興味深いです。横丁では取り澄ました日本ではなく、馴染みやすい日本の雰囲気を味わえるのかもしれません。ここに出てくる横丁はコロナ禍で苦境に陥ったところもあるでしょう。それを乗り越えて存続してほしいです。2023/07/12
Tommy おぢさん
5
いろいろな所にいろんな横丁があったんやなぁ。復活した飲み屋街もあるみたいだけど、殆どが無くなってしまったのね。懐かしい所もあるかと思ったが、記憶に残っている所は案外無かったね。残念2023/04/11
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