ナチズムは再来するのか? - 民主主義をめぐるヴァイマル共和国の教訓

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ナチズムは再来するのか? - 民主主義をめぐるヴァイマル共和国の教訓

  • ISBN:9784766426069

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内容説明

民主主義は危機にあるのか?
当時、世界で最も民主主義的な憲法をもちながらも、わずか14年でナチスに破壊されてしまったヴァイマル共和国。当時の政治社会状況と現在の状況との、共通点とはなにか。現代社会を覆うポピュリズムに、ドイツを代表する研究者たちが歴史の経験から警鐘を鳴らす。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おっとー

15
移民排斥の声があがり始め、極右政党AfDが台頭する現代ドイツ。この状況からすぐ連想するのがヴァイマル共和国である。しかし本書はヴァイマル期と現代を安直に結びつける議論から距離を置き、政治、経済、メディアなどの面から多角的に類似性と差異を分析する。大戦後に成立し十数年足らずで瓦解したヴァイマル共和国に対し、今のドイツは統一してからですら数十年が経ち、安定した民主主義が築かれている。本書はこれを踏まえある種の楽観論や理性重視の立場をとるが、典型的リベラルすぎて現代のカオスがしっかり見えているのかは不安である。2020/02/21

バルジ

4
現代と過去との安易な比較になりがちな、ひいては特に政治的な論争に発展する「ヴァイマル共和国」と現代ドイツを対比させ論じた1冊。元が新聞のエッセイなため文量も多くなく読みやすい。 各章20頁程でコンパクトに論じられているが、現在と過去の比較を慎重に行い、相違点・類似点をしっかりと分けて論を進めていく点に好感が持てる。個人的には政治的立場と深く結びついたメディアが社会的な分断を促進し異なる政治的主張・階級によって共通の政治言語を持たなくなったしまったという点。これは日本を含め各国で発生していて極めて現代的。2019/12/15

八八

3
ポピュリズムの台頭はしばしば民主主義の危機として喧伝され、その先にはナチズムの亡霊が控えていると警句されている。このような中でナチスという経験があるドイツでも右派の台頭が警戒されている。民主主義からナチズムへ至る歴史の中にはヴァイマル共和国という存在があり、しばしば想起される。本書は政治や経済などの項を立てヴァイマルと連峰共和国の現状を比較している。著者陣はただ現状をヴァイマルと指摘するといったものではなく、コンパクトながらも自制の効いた論調で歴史の経験と現在を比較している。2019/07/13

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