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内容説明
やっぱり本当だった。
いったん「下級国民」に落ちてしまえば、「下級国民」として老い、死んでいくしかない。幸福な人生を手に入れられるのは「上級国民」だけだ──。これが現代日本社会を生きる多くのひとたちの本音だというのです。(まえがきより)
バブル崩壊後の平成の労働市場が生み落とした多くの「下級国民」たち。彼らを待ち受けるのは、共同体からも性愛からも排除されるという“残酷な運命”。一方でそれらを独占するのは少数の「上級国民」たちだ。
「上級/下級」の分断は、日本ばかりではない。アメリカのトランプ大統領選出、イギリスのブレグジット(EU離脱)、フランスの黄色ベスト(ジレジョーヌ)デモなど、欧米社会を揺るがす出来事はどれも「下級国民」による「上級国民」への抗議行動だ。
「知識社会化・リベラル化・グローバル化」という巨大な潮流のなかで、世界が総体としてはゆたかになり、ひとびとが全体としては幸福になるのとひきかえに、先進国のマジョリティは「上級国民/下級国民」へと分断されていく──。
ベストセラー『言ってはいけない』シリーズも話題の人気作家・橘玲氏が、世界レベルで現実に進行する分断の正体をあぶり出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
261
前半の令和からの日本と階級社会化する話しが印象的。本当に団塊の世代がいかに日本社会にインパクトを与え続けて来たのかが良くわかる。2020/03/31
rico
193
身も蓋もない論の展開は著者の持ち味だが、まあ概ねその方向で世の中が動いているように見える。階級や社会制度による縛りがゆるくなり、自らの人生を選びとれるようになることは、幸せへの道だったはずなのに。しかしそれが、持てる者と持たざる者の格差を拡げる。AI等技術の進化がそれを加速。で、素質と環境に恵まれたごく一部の人だけが上級国民となるのだと。「モテ&非モテ」の説明は、わかりやすく救いがない。天は二物も三物も与える。持ってるヤツは何でも持ってる。それを所与のものとして社会の仕組みを見直すしかないのかもしれない。2020/01/30
まさにい
154
本の題はあまり好きではなかったが、つい買ってしまった。この本で、秀逸な部分は、151頁以降だろう。この部分は一読の価値がある。しかし、実は憲法論で言う自己実現の意味を理解していないと、誤解して認識してしまうと思う。結構毒薬になる本ではあるので、注意して読んだ。2019/11/15
えちぜんや よーた
120
身もふたもないタイトル。その名前にふさわしく「正社員・非正社員」、「モテ・非モテ」のお話がズラリが出てくる。最初のうちはわざわざお金を出して買う本ではないと思ったが読むべき箇所は後半にある。なぜ「上級国民/下級国民」という現象が発生したのか?キーワードは「知識社会・リベラル化・グローバリゼーション」。19世紀ごろに始まった近代化(身分制からの解放や産業革命)が、実はパンドラの箱で究極の自己責任社会を作り出されていることが分かりやすく説明されている。かなりの読書量をこなさないと書ける文章ではない。2019/09/14
inami
109
◉読書 ★3.5 19年4月、87歳の男性(元高級官僚)が運転する車が暴走、親子が亡くなった。二日後、神戸市営バスにはねられ二人が死亡、運転手は現行犯逮捕。87歳男性は逮捕されず(怪我もあり)、マスコミは「さん」づけで報道。んっ!これって上級国民だから?という憶測が広まった・・次々に見出される現代日本の格差現象の正体は、じつはすべて「大学歴の所有/非所有」だと『言ってはいけない』第2弾が炸裂。知識社会化・リベラル化・グローバル化は世界中で同じような問題へ・・さぁ〜てどうやって下級国民から這い上がるか(笑)2019/09/09
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