ちくま文庫<br> 沖縄と私と娼婦

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ちくま文庫
沖縄と私と娼婦

  • 著者名:佐木隆三【著】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 筑摩書房(2019/08発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480435958

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内容説明

ベトナム戦争への出撃基地となったアメリカ統治下の沖縄。1960年代末の返還運動、ベトナム反戦闘争が激化する時代、夜の風俗街に生きた人々。沖縄地上戦の傷痕、米軍最優先社会、生死隣合わせの米兵たち……。それらの矛盾を一身に背負った女たち。その姿をヒリヒリと肌を刺すような筆致で描く。今に続く沖縄が抱える問題の原点を激しく問いかける歴史的名著。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

二人娘の父

10
とにかく圧倒された。およそ50年前、「復帰」直前の沖縄のアンダーグラウンドのにおいや感触が、リアリティをもって伝わってくる優れたルポである。同時期にこの時代の沖縄を語った大江健三郎『沖縄ノート』の観念性と比較すると、私が知りたいのは、人間の息づかいと感情、そして現実なのだと確信する。著者は映画「すばらしき世界」の原作者である。強く、儚く、弱い立場の人間を捉える視点が一貫していることを感じる。2022/02/22

かみーゆ

5
いやー名著だ。面白いわ。よく復刊してくれたなあ。筑摩書房さんと藤井誠二さんありがとう。藤井さんの『沖縄アンダーグラウンド』読んだら絶対読みたくなるもんね。復帰前の沖縄の話なんだけど、過去の話な感じがしないというかなんというか。読んでる間沖縄の空気を吸っているような感覚でした。しかし佐木隆三さんってこんな面白いんですね。いやはや。とりあえず沖縄物は全部探して読まないとな。2019/05/26

ますりん

4
沖縄返還前の那覇やコザの特飲街と呼ばれた地区のルポルタージュ。半世紀前の本であり、この本に出てくる人々の多くは既に他界しているであろう話なのに、基地の街であること、政治と経済の両面で沖縄の人々に苦しみを押し付けていまの日本があることは、いまでもなんら変わっていないことに鬱々とする。本の中で、沖縄から東京へ船で帰る途中、酷い船酔いのなか本土から沖縄に来た記者の沖縄病のことを考え、自分の立ち位置に惑いながら絶望を語るところが心に残る。2020/09/19

tecchan

2
 2015年に亡くなった著者の若かりし頃のルポ。1972沖縄復帰直前、自ら沖縄に住み、娼婦達との交流を通して沖縄の現実を描き出したルポ。当時、基地反対闘争だけが、脚光を浴びる中、沖縄の女性、若者、そして米兵など、沖縄の現実をまざまざと見せつける稀有なルポ。50年経った今でも、その投げかけた問題は解決していない。2020/08/19

Chihiro

2
コザのAサインバーやJAZZバー、あるいは那覇の十貫瀬のバーや栄町のベッドから見る復帰直前の沖縄。一人の買春夫であることを隠さず著者はひたすら沖縄を飲み歩き記録する。あつかましさと足を使って集められた「娼婦」の生の声、浮き上がるアンダーグラウンドの姿、タクシーのおじさんのサービス精神や沖縄の湿っぽい風。復帰以降の世代は、敢えて触れようとしないと分からない沖縄の戦後史。浄化運動、ブルドーザー、Aサインやベトナム戦争下のこと、知らないで生きていくことは容易いけど、もっと知らなければと思わされる。2020/08/08

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