荒野にて

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荒野にて

  • 著者名:ウィリーヴローティン【著】/北田絵里子【訳】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 早川書房(2019/03発売)
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  • ポイント 600pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784152098443

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内容説明

孤独な15歳の少年は、殺処分が決まった老競走馬をひそかに連れ出し、遠くに住む伯母のもとへ荒野を行く旅に出る。胸を打つ物語。アンドリュー・ヘイ(「さざなみ」)監督映画原作。4月12日(金)公開! ヒューマントラストシネマ渋谷他、全国順次ロードショー

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

146
本当に追い詰められている少年たちは、助けの求め方など分からない。彼らが善良であるほど、その身の置かれた状況を恥じ、言い出せない。生まれながらにもった善性が、そして身体の強さが、彼を大人に溶け込ませた。しかし、散々な孤独は心の奥に抱えたままで。ピートに語りかける少年に、癒しを与える者は、その相手から癒しを得たいのだという精神をみる。そしてだからこそ、彼には探しびとに会う必要があったのだ。心の傷は、深くなり過ぎると怒りや憎しみに転じる。悲しい魂の一つの行方を、ページとともにおった。2019/07/20

アン

97
15歳の孤独な少年チャーリーが、唯一の親戚である伯母を探すためワイオミングへ向かうというロードノベル。老いた競走馬Lean On Peteを心の支えとして。理不尽な目にあい、困難な状況に陥っても何度も立ち上がる姿に胸を打たれます。善意に触れることもありますが、それは束の間の救いです。ピートを「自立した」馬と説明し、自分と対等である存在と考え、素直な気持ちを打ち明ける場面では愛おしさが込み上げます。チャーリーにとっての安らぎの居場所に辿り着く事を、祈り続けながらの読書でした。映画も素晴らしいようです。 2019/07/20

藤月はな(灯れ松明の火)

82
アンドリュー・ヘイ監督の映画も観たが、チャーリーはピートを人間として従属する存在ではなく、自分とも重なる部分もある存在として見ていたと思う。だからこそ、彼は今後の事も請け負ってくれると約束しても、ピートを飼い馴らすものとして見ていたイラク帰還兵達の元を去るしかなかったのだ。そしてチャーリーの父やデルのように大人の方が今の世の中に生き残るのに必死で、子供はそれを察して助けを求められない部分が色濃かった。しかし、お父さん、不仲だとしてもなんでチャーリーが危機に陥った時に備えて伯母さんへの連絡先を教えないんだ!2019/06/23

mii22.

71
15歳でひとりぼっちになり、誰にも頼らず競走馬のピートだけを心許せる友として荒野を旅する少年チャーリー。ピートを誰のものでもない「自立した馬」と言う時そこに自立への憧れがみえる。過去を問われ「わからないんだ」と答える時、少年の孤独と不安と戸惑いを痛いほど感じる。どこに行くのかと聴かれ「ワイオミング」に行くと答える少年の未来へわずかな希望を祈る。そして、この旅を見守った読者の胸には熱い感動の涙が溢れる。目に浮かぶのは少年とピートが荒野を歩く姿。強い生命力で心を揺さぶる美しい風景。2020/04/19

at-sushi@ナートゥをご存知か?

70
誰一人知る者もいない街で父と二人で暮らすチャーリー。厩舎での下働きと万引きで空腹をしのぐ中、頼りなくとも優しい父を突然失い、唯一心を許せる競走馬まで処分されると知り、盗んだトレーラーで走り出す15の夜。無人の荒野で空腹とコヨーテに苛まれながら、星空の下、寝袋一つで愛馬を語り相手に過ごす夜の圧倒的孤独感と切なさに胸が締め付けられる💧。もうね、尾崎甘えんな、とw アメリカの乾いた空気感や、道中で出会うクセの強い変人、善人、悪人の造形もリアル、とりわけギレルモがすこ。映画版も観たくなる良作。2019/12/12

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