内容説明
毛穴が蠢くような奇妙な読み味がクセになる黒史郎の異界怪談第二弾!
小さい頃に遊んでもらったお姉さんの、おぞましい正体「大好きだったお姉さん」、
小学校の発表劇、居るはずのない誰かが子どもたちに交じっている!?「鬼役」、
何度も火災に見舞われる家の住人が口にした絶望の言葉…「祟られてるんです」など、
まとわりつくような怪異譚が綴られる。
誘われて闇を覗けばあっと言う間に囚われる、そこは底無しの恐怖――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
171
黒史郎さんの不気味な髑髏のイラストが禍々しい一冊ですが、決して悪い意味ではなく、それ程に恐ろしい話ばかりが詰まっている訳ではなく意外に気楽に読める話も多いですので怖い話が苦手な方にもぜひ手に取って欲しいと思いますね。これは不気味な異界系の話。『くび、て、あし』男子校に通っていた亮太郎さんは3年間で仲間内では一人だけ彼女ナシだった。半ばヤケになった彼は学校帰りにラブホテル通りの裏にある柄の良くない飲み屋街を一人で歩く。そんなに甘くはなく諦めて帰る道を辿ると向こうから派手なモデル並みに長身の美女が歩いて来る。2021/01/03
HANA
62
実話怪談集。玉石混交が多い実話怪談だが、安心して読める作者は何人かおり著者もその一人。本書も安心の完成度である。収録作も著者の特色がよく出ており、不条理な何が起きたかよくわからぬ作品も多い。しかしそれが理不尽なよくわからない怖さをもって迫ってくる辺りがまさに本領発揮といった具合。「おとうさん」とか「鬼役」等前半部にそれが多い感じかな。一方で深く考えれば考えるほど異様な怖さをもつ怪談のお手本のような「狸の金玉」もあり、全くもって油断できない。実話怪談の鉱脈がまだまだ掘りつくされていない事が実感できました。2019/10/13
眠る山猫屋
56
よくよくタイトルを見てみれば“異界”と付いているではないか。この本で気に入った、あるいは気になったエピソードは、すべからく、いつの間にか異界へとスライドしていく物語だった。夫婦の記憶がすれ違い、辿り着いた先に待っていたのは・・・『マリモ』や、夜中に帰ってくるノックの音は『おとうさん』などにゾワゾワさせられた。巧い! 2025/02/05
澤水月
18
「狸の金玉」に尽きる! 題材も構成もいい。妖怪本に振り分けたり「犯罪臭」が強く怪異が行方不明な話がいくつか出たりと制作難航する中でもこのクオリティはさすが… 黒版東京伝説も読みたい気がする2019/08/19
qoop
13
端的に文章と構成の妙を味わう一冊。怖いというより不思議な話、超常的かどうか際どい話も多く収録されており、一読あっさり読めてしまうところもある。が、表題どおり不思議の底が抜けている。それに気づくと怖さのステージがせり上がる。巧いネーミングだと感心した。印象的な作品をあげると〈おとうさん〉〈ダストボックス〉〈息子のうそ〉〈怖がりなダンナさん〉など。2019/08/03
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